【EPUB有料連載リンク】第32回 - Intelに蘭花賞と玉ネギ賞の両方を ジェリー・パーネル/訳・林田陽子「新・混沌の館にて」

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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、昨年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。

 業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

3月コラムから

●Intelに蘭花賞と玉ネギ賞の両方を

蘭花賞と玉ネギ賞

 Intel Core 2 Quad Q9550 CPUに蘭花賞を。これは、古いソケット775ベースのシステム用に購入できる「ほぼ」最速のCPUです。しかし、これはかなり大幅にオーバークロックされる場合があります。3GHz以下で動作させるものなのですが、マニアは空冷して4GHzにさせています。

 これらのCPUの供給を制限して、1年前に比べて価格をほぼ2倍にしたIntelのやり口に、これにふさわしい玉ネギ賞を。Intelは、プラットフォームのアップグレードをユーザーに強要しようとしていて、他に現実的な選択肢のないあらゆるユーザーに法外な金額をふっかけています。

 面白い話なので報告するが、私はオーバークロックは絶対に勧めない。私は自分のIntel Core 2 Quad 6600システムであるBetteをアップグレードするという誘惑にかられたことは一度もない。BetteはWindows 7を走らせていて、ゲーム以外のすべての仕事のメイン・システムとして機能している。そして私のOutlookアカウントにルールとフィルタを適用して酷使しているにもかかわらず、もっと速くする必要を感じたことはない。私は数年前に1台の「十分によい」スイートスポット・システムとしてBetteを構築した。6600は今ではきわめてローエンドのチップだ。しかし、これはまだ多くの仕事をこなす。

【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/

翻訳書の電子書籍化

 つい先日、私の既刊の翻訳書のうちの2冊が紙版の発行元の出版社から電子書籍化されて発売されました。このhon.jpのニュース・コーナーにリリースを出していただきました。http://hon.jp/news/1.0/0/2416/

 少し前に出版社から「電子書籍化したいので了解を得たい」と連絡があり、喜んでお願いしました。

 最初はソニーのReader対応版とiPad版が発売されました。価格は紙書籍版とほとんど同じで、2300円と2500円です。

 自分の翻訳書を電子書籍化することはできるのだろうか、ということは、このコラムの販売を始めて、電子書籍ブームが始まったころふっと思ったことがありました。Kindle本がどんどん増えているのを見ていたので、自分の翻訳書が電子書籍になったら、これからもっと多くの人に、長く読み継いでもらえるのではないかという思いもありました。例えば、自分で電子書籍化することはできるのだろうか・・・?

 これはかなり難しいことだと思いました。翻訳書の場合、原著者の許諾を得て、版権料を支払わなければなりません。そういうことはすべて出版社の方でしてくださっていました。電子書籍版を出す場合、新たに版権料を払うのか、それが紙版と同じ版権方式か、レベニュー・シェア契約か、といった権利関係のことも私にはまったくわかりませんでした。私は法律の知識はまったくありませんが、紙書籍版を出した出版社に電子書籍版を出す権利があるのではないかと漠然と思っていました。

 また、電子書籍ファイルを作ろうにも、私はこの翻訳書の決定稿のデジタル・データを持っていません。最近は翻訳の原文は何らかの電子的データで受け取ることがほとんどですが、数年前までは紙データのみということもよくありました。私は機械処理をする都合上、電子データが必要な場合、スキャンしてテキスト化する、今でいう自炊をすることがあったので、そういう方法があることは知っていました。最近はスキャンの精度も上がっているのかもしれませんが、「i」と「l」が間違っていたりして、正確にスキャンされているかチェックするのにけっこう時間がかかりました。この2冊の翻訳書はどちらも500ページ以上ある大部な本なので、誰がやるにしても、手作業でデジタル化できるとは思えませんでした。

 いずれにしても、コラムの販売でてんやわんやの時期で、いつのまにか忘れていました。

 ですから、電子書籍化のお話をいただいたときは、とても嬉しく思いました。日本ではまだ、電子書籍はそれぞれのデバイスに合わせて、費用をかけて個別にファイルを制作しなければなりません。紙書籍とちがって、注をリンクにするといった作業も必要なようです。電子書籍版を持てたことを本当にありがたいことだと思っています。

 発売されたと連絡をくださった編集者の方に、hon.jpにリリースを出していただくようお願いしてもよいか確認したところ「ぜひ、どんどんやってください。自分のサイトでも宣伝してくださいね」とのことでした。翻訳の場合、原著者がメインなので、私はあまり役に立たないのですが、これからは、こういったプロモーション面も著作者が努力しなければならなくなってくるのかもしれません。

 私はソニーReaderは持っていないので、見てみることはできませんが、iPad版は見ることができます。iPadは紙版とほぼ同じ大きさなので、あまり違和感はありません。ただ、電子書籍端末でこれだけ長い本を読むということは、まだあまり一般的ではないと思うので、読み通してもらえるか、少し心配しています。実は私もまだあまり慣れていません。何となく紙の本と勝手が違うのです。これまでの読書習慣が変化していくことも、電子書籍が普及する上で大事なことだと改めて気づきました。

 自分の翻訳書が電子書籍になっているのを見たときは不思議、というか感無量でした。こんな日がくるとは、つい1年前までは思ってもいませんでした。電子書籍時代には、あらゆることが紙書籍の時代と変わっていくのだと日々痛感しています。

 どうやら私はよくよく電子書籍に縁があるようです。

問合せ先:新・混沌の館にて」サイト( http://www.sciencereadings.com/

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