海賊版教科書にアマゾンがおとり捜査で鉄槌、あおりを食らう古書店も

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 アマゾンがシアトルの買い手を装って古本の教科書を注文、届いた本が海賊版だったとして約20店の古書店アカウントを閉鎖したと、ビジネスTVチャンネルのCNBCのウェブサイトが伝えている。

 アメリカでは高等教育の教科書の値段は数百ドルと高額で、新しくEブック版を買うより、安価な古本を買い求める学生が多いことから、教科書の古書を扱うのが手堅いビジネスになるという土壌がある。教科書業界は近年、海賊版の対処に追われている。

 中には扱った教科書が海賊版だとは気づかず、クリスマス商戦を前に急にアマゾン上で取引ができなくなり、困り果てている業者もいる。アマゾンからは「海賊版をアマゾンで売るのは禁止行為なので、アカウントを一時的に凍結した」という内容のそっけないメールが届いただけだという。

 古本売買ビジネスを含む第三者の業者による通販は、米アマゾンの売上の半分を占めるに至る。今年の第3四半期でも、これら外部の業者に対する注文受付から配送までのサービス料は100億ドル、アマゾンの総売上の18%に当たる。

 このところアマゾンは、古書以外のカテゴリーでも偽造品を売買した業者を取り締まっている。これまでは消費者から苦情を受けてから対応していたが、今回はアマゾンによる“おとり捜査”で引っかかったようだ。

 なお、高等教育過程の学生が必要とする教科書が高額であることは長い間アメリカで問題とされており、図書館と協力する取り組みも見られる。

参考リンク

CNBCの記事
https://www.cnbc.com/2018/12/13/amazon-and-publishers-hurting-small-sellers-in-counterfeit-sting.html
教科書高額化問題に取り組む図書館のパネルを伝えるScholarly Kitchenの記事
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2018/11/19/the-coming-wave-of-affordable-textbooks/

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NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。