《この記事は約 3 分で読めます(1分で600字計算)》
エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社は12月5日、同社が運営する電子書店「コミックシーモア」が縦スクロール形式に対応したことを発表、第1弾として、NHN comico株式会社の「comico」オリジナル作品の配信を開始した。縦スクロール表示のビューアには、株式会社セルシスの「CLIP STUDIO READER」が採用されている。
コミックシーモアでは、この縦スクロール形式を「タテヨミ」と呼称している。縦スクロール専用で作られた作品ならではのマンガ表現や、スマートフォンのフリック操作での読みやすさ、小さな画面でも読みやすい文字サイズ、カラー作品を中心としたラインアップが特徴。
コミックシーモアでは12月31日まで、この「タテヨミ」作品を対象として、10冊まで20%オフになるクーポンがもらえるキャンペーンを実施している。詳細はキャンペーンページをご覧いただきたい。
オピニオン
このニュースはコミックシーモアとセルシスからのリリースだが、むしろ注目すべきは comico の動きだ。comicoは、スマートフォンの画面に最適化された縦スクロール形式(一般的にはウェブトゥーンと呼ばれている)でフルカラーのオリジナルコミックを、200作品以上配信している。
4月には、comicoと同様にオリジナルウェブトゥーンの制作に取り組んでいる株式会社パピレスの「Renta!」と業務提携し、相互販売を開始。8月には、サイバーエージェントグループの株式会社ブックテーブルが運営する「読書のお時間です by Ameba」にも同形式のコミックを提供開始。そして今回のコミックシーモアなど、販売チャネルを着々と増やしている。
そのいっぽう、集英社が「ジャンプ縦スクロールマンガ賞」を開催したり、講談社「DAYS NEO」も縦スクロールに対応していたりと、大手出版社もウェブトゥーンへ積極的に取り組むようになってきている。
恐らく今後、ウェブトゥーンを「販売」するストアはさらに拡大していくことだろう。これまでウェブトゥーンは、マネタイズには「紙」のコミックス販売が有力で、見開きのコマ形式に対応するための再編集コストが難点だとされてきた。ウェブトゥーンのまま直接ユーザーに販売できるなら、そこでは再編集コストが要らず、利益が出やすい。従来のコミックスとは異なる、新たな市場が開拓されつつあるのだ。
参考リンク
コミックシーモアのプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000009284.html
セルシスのプレスリリース(PR TIMES)