LPのライナーノーツ本のコンテンツはスポティファイのオーディオファイルとして生まれ変わる?

 英ブルームズベリー出版の「33 1/3」といえば、音楽アーティストのアルバムについて短いノンフィクション形式で書かれた131タイトルのシリーズで、紙版の他にEPUBやPDFでも手軽に読め、ポップミュージック全般に渡る名アルバムに有名なところではジョナサン・レイサムが寄稿している。

 ロイター通信によると、5月8日に定額音楽配信サービスのスポティファイがブルームズベリーと提携して「33 1/3」のコンテンツを買いとり、「色々なフォーマットとして」配信するという。

 経済紙フォーブスによると、スポティファイはこれからの成長戦略として、オーディオブックに目をつけており、デイビッド・ボウイからニルヴァナまでカルト的人気を誇るアーティストについて熱く語る内容の「33 1/3」はコンテンツとして融合性が高いと判断した。

 問題は、どういうフォーマットにするかで、オーディオブックとして売るのか、語られているアルバムとミックスメディアのバンドルにするのか、オーディオブックとアルバムが交互に聴けるような形で、熱心な音楽ファンがライナーノーツを読み込むようなことがスポティファイでできるようになるのか、4月にニューヨーク株式市場で上場したばかりのスポティファイの行く末が注目されている。

関連リンク

ロイター通信
https://www.reuters.com/article/brief-bloomsbury-publishing-announces-co/brief-bloomsbury-publishing-announces-content-partnership-with-spotify-idUSFWN1SF0BJ
ブルームズベリー出版「33 1/3」シリーズのサイト
https://www.bloomsbury.com/us/series/33-13/
フォーブス紙の記事
https://www.forbes.com/sites/adamrowe1/2018/05/08/why-spotify-audiobook-33-13-deal-intruiging/#3b01012e12f5

投稿者: 大原ケイ

NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。