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【編集部記事】※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。
hon.jp DayWatchでは毎週末、あまり語られることがなかった「商品管理」という観点で、電子書籍の本質に迫っていきます。そして、すでに複数出版社で使われている「hon.jpターミナル」という電子書籍書誌管理システムを使いながら、その業務対策について考えていきます。出版社勤務の方は、ぜひ研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部
今回が、「hon.jpターミナル」が内部的に使っているデジタルオブジェクト管理コード「namespace」についての解説の最終回です。
第19回で説明したとおり、namespaceはC++やJavaなどのプログラマが部品管理のために日常に使っているオープンな管理システムを参考にしてhon.jpターミナルに導入されました。世界中のプログラマーたちが長年かけて自然派生的に生み出したものなので、特許もありませんし、集中管理団体もありませんし、使用料を要求してくる会社や、細かい使い方について文句を言ってくる人も一切存在しません。
表現の自由を尊重し、何よりも検閲を嫌う作家や出版社にとって、電子書籍というデジタルオブジェクト群を管理していくためにはもっとも最適な仕組みといえるでしょう。
ただ、namespaceには“商品管理”以外の効用もたくさんあります。たとえば、もともとはプログラム部品同士がコンパイル時にお互いを呼び出すために使われているものなので、下の例のように:
プロジェクトトップ:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf
プロジェクトビルド・マニフェスト:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf.manifest.ja.convert2epub
書誌情報:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf.ja.meta
表紙画像:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf.ja.meta.img.cover01
序文テキスト:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf.texts.ja.foreword
第1章テキスト:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf.texts.ja.chapter01
第1章の3番目の挿絵:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf.img.ja.chapter1.diagram3
…などといった感じで、個々の部品管理に使え、究極的には電子書籍ファイルのビルド完全自動化も可能になってくるでしょう。
数年先の電子書籍業界の動向を見越して、今からhon.jpターミナル上でnamespaceを使った商品管理に慣れておくことを強くお薦めします。
さて次回は、話を少し電子書籍担当者の現場に戻して、複数規格が存在する電子書籍の書誌フォーマットの取扱いについて、解説していきます。
※次回、第25回「書誌のデータ項目を理解する(1)」はこちらからどうぞ。【hon.jp】
問合せ先:hon.jpターミナルの製品概要ページ( http://hon.jp/doc/honjpterminal.html )