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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は7月25日、2025年上半期(1~6月期累計)の出版市場規模を『季刊 出版指標』2025年夏号で発表した。紙+電子の出版市場は7737億円(前年同期比2.1%減)で、そのうち電子出版市場は2811億円(同4.2%増)だった。
紙
紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は4926億円(同5.4%減)。なお、出版科学研究所による紙の推定販売金額は取次ルートのみであり、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。
書籍
紙の出版物のうち、書籍は3132億円(同1.5減)。返品率が31.2%と抑えられており、販売額の落ち幅も縮小している。
雑誌
紙の出版物のうち、雑誌は1795億円(同11.4%減)。雑誌のうち月刊誌(コミックス・ムック含む)は1546億円(同9.5%減)、週刊誌は248億円(同21.7%減)。月刊誌のうち、定期誌は約9%減、ムックは約8%減、コミックスは約11%減となった。
週刊誌が大幅下落しているのは、コンビニ帳合変更時の雑誌販売に伴う返品急増や、『週刊ダイヤモンド』の店頭販売終了や『週刊現代』の隔週刊化など有力誌の刊行形態変更が相次いだことによるものと分析されている。
なお、出版科学研究所によると、この期間の算出データに一部不明瞭な箇所が残っているため8月以降再検証をする予定で、雑誌数値は修正する可能性があるとのことだ。
電子
電子出版市場2811億円のうち、電子コミックが2530億円(同4.6%増)、電子書籍(文字ものなど)が238億円(同1.7%増)、電子雑誌が43億円(同2.3%減)。
電子コミックの伸び率は鈍化。電子書籍はアニメ原作のライトノベルなどが底堅く、写真集は絶好調とのこと。電子雑誌はサブスク会員の緩やかな減少で再びマイナスに転じた。
なお、出版科学研究所の推計する電子の販売金額は「読者(一般ユーザー)が支払った金額の推計」で、定額読み放題は含まれるが、広告収入や電子図書館サービス・電子ジャーナルなどは含まれない。
参考リンク
出版科学研究所のプレスリリース(PDF)