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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は7月25日、2023年上半期(1~6月期累計)の出版市場規模を『季刊 出版指標』2023年夏号で発表した。紙+電子の出版市場は8024億円(前年同期比3.7%減)、うち電子出版市場は2542億円(同7.1%増)だった。
【目次】
紙
紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は5482億円(同8.0%減)で、2期連続の減少傾向となった。市場を大きく牽引するようなヒット作やトレンドがなかったとのこと。なお、出版科学研究所の推計する紙の出版物販売額は取次ルートのみで、近年増加している出版社による直接販売や、出版社と書店の直接取引は含まれない。
書籍
紙の出版物のうち、書籍は3284億円(同6.9減)。文芸書やゲーム攻略本、旅行ガイドなどは健闘したが、その他主要ジャンルは落ち込んだ。
雑誌
紙の出版物のうち、雑誌は2197億円(同9.7%減)。雑誌のうち月刊誌(コミックス・ムック含む)は1839億円(同9.6減)、週刊誌は358億円(同10.6%減)。月刊誌のうち、月刊定期誌は約8%減、ムックは約9%減、コミックスは約12%減となった。コミックスの減少は巣ごもり需要の終息が影響している。
電子
電子出版市場は、電子コミックが2271億円(同8.3%増)、電子書籍(文字ものなど)が229億円(同0.4%減)、電子雑誌が42億円(同8.7%減)。電子書籍は、一部ベストセラーやライトノベル、ボーンデジタル写真集などのジャンルが成長しているが、全体ではほぼ前年並み。電子雑誌は、圧倒的シェアの「dマガジン」がゆるやかな会員減が影響している。
なお、出版科学研究所の推計する電子の販売金額は「読者(一般ユーザー)が支払った金額の推計」で、雑誌には定額読み放題が含まれるが、広告収入や電子図書館サービス・電子ジャーナルなどは含まれない。
参考リンク
出版科学研究所のプレスリリース