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今年の8月に投資コンサル、エリオット社に買収されたのち、イギリス最大手書店チェーンを立て直したジェームズ・ドーントがCEOとして送り込まれたバーンズ&ノーブル。全米に627店舗を展開する書籍チェーン店の、その後のニュースを集めた。
ドーントはラジオ局NPRのインタビューに対し、いまではイギリスのウォーターストーンズと米最大手B&NのCEOとなったが、「心はロンドンに最初に本屋を開いた時と同じまま、インディペンデント書店の書店長のつもりでいる」と答えた。具体的には、これまで本社からトップダウンで決めていたディスプレイなどを各店舗に任せ、それぞれのコミュニティーを反映させた店づくりをするという。
さらに、イギリスでも実行したように、出版社側がどの本をプロモーションするかを選ぶ「コアップ」広告も止める意向のようだと伝えられている。イギリスのフェイバーやアメリカのファラー・ストラウス&ジルー社を経たミッツィ・エンジェル編集長は「書店側がタイトルを選ぶプロモーションは、出版社がコントロールできないぶん心配ではあるが、書店が手渡しで売ってくれる力を得られるので、本を売る側にも買う側にも恩恵があるのでリアル。返品率もさがるし」とコメントしている。
その一方で、いくつかの訴訟が争われている。解雇などの措置で40歳以上の書店員を差別した(エイジズム)として、長年バーンズ&ノーブルで勤めてきたバーバラ・タヴレスさんを原告としてカリフォルニア州でクラス・アクション訴訟としてまとめる動きがまずひとつ。
さらに、2018年の夏、買収話がなかなか進まないことに腹を立てたレン・リッジオ会長が、前CEOのデモス・パルネロスを解雇した際に起きた相互訴訟においても、B&Nはリスクが高いとされながらも、3件の容疑のうち2件で略式判決を申請した。こちらは引き続き、双方の回答は来年に持ち越された。
参考リンク
ブルームバーグの記事
https://news.bloomberglaw.com/daily-labor-report/barnes-noble-accused-of-classwide-bias-against-older-workers
NPRのインタビュー
https://www.npr.org/2019/10/29/774507006/new-barnes-noble-ceo-started-his-career-as-an-independent-bookseller
英ブックセラー誌の記事