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フランス『Le Monde』紙サイトによると、同国の国立図書館のJeanneney館長は、米検索ポータル大手Googleが進める米英の主要大学・図書館と提携したオンラインで蔵書を閲覧できるサービス計画について「米国の価値観の圧倒的な支配をもたらす」として、反対を表明した。
今回の表明内容は、先月23日付けの同紙に対し、Jeanneney氏自身が直接執筆・寄稿したもの。米Googleが進める新サービスは、米英名門大学の図書館蔵書をオンラインで閲覧できるようになるというもので、たとえば米ミシガン大学のすべての蔵書、米スタンフォード大学および英オックスフォード大学の大部分の蔵書、米ハーバード大学とニューヨーク公立図書館の一部蔵書などがネット上で自由に無料閲覧できるようになる。
ミシガン大学ではすでに、デジタル化された蔵書の何冊かはオンラインで閲覧可能となっている。しかし、同大学によると、図書館内のすべての蔵書をデジタル化するには約6年間かかるという。
ネット図書館構想に反対するJeanneney館長は、「蔵書に番号を付ける瞬間から権力を感じる。必ず米国の精神による選択となる」と懸念を示しているという。このネット図書館構想に対抗して「欧州連合(EU)の指導者がフランスや欧州の側で同様の(オンライン蔵書閲覧)計画を持つべきだ」と求めた。また、ロイター伝によると、蔵書の選択が英語の書籍に偏る恐れがあるとして「私はフランス革命を米国が選んだ本だけで語らせたくない」と述べ、価値観と言語の多様性が重要だと強調しているという。
【関連リンク】
仏『Le Monde』紙 Jeanneney館長による寄稿記事(仏文)
http://www.lemonde.fr/web/imprimer_article/0%2C1-0@2-3232%2C36-395266%2C0.html
米Google、図書館の蔵書閲覧サービスにも着手(2004年12月14日)