控えめにいってめちゃくちゃわかりやすい米国AI著作権法論議の記録帳など 日刊出版ニュースまとめ 2025.07.12

【写真】書店の前にいる猫
Photo by Ryou Takano(+Adobe Firefly 生成塗りつぶし“座っている白猫”)
noteで書く

《この記事は約 9 分で読めます(1分で600字計算)》

 伝統的な取次&書店流通の商業出版から、インターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版関連ニュースをデイリーでまとめて配信。ボットではありません。編集部の中の人がすべて自分の目で読んで、手作業でまとめています。2025年のピックアップログはこちら

【目次】

お知らせ

東京・札幌・沖縄で作家・編集者・デザイナーが3日間集まり“本”を創り上げていくパブリッシングイベント「NovelJam 2025」開催!

今年もやります! 10月11日から13日の開催です。ただいま参加者募集中! 詳細は上記リンク先の開催概要をご確認ください。クラウドファンディング、法人協賛も募集しています。

政治

動きはじめた米国AI著作権判決と、 控えめにいって大騒動な米国AI著作権法論議の記録帳 福井健策|コラム〈骨董通り法律事務所 For the Arts(2025年7月11日)〉

ひとことコメント

現時点での米国AI著作権法論議が、控えめにいってめちゃくちゃわかりやすくまとまっています。流石すぎる。ちなみにこの「市場希釈化」理論は日本でもすでに問題提起されていて、昨年3月に文化庁が公開した「AIと著作権に関する考え方について(PDF)」にも盛り込まれました(p23 イの○3つ目)。その立役者は、なにを隠そうこの福井健策氏であります。その件は、ポッドキャスト「#38 AIと米地裁判決/CDNがAIボットをブロック (2025年7月8日版)」で触れたばかり。詳細は文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第6回)の議事録参照。見え消し版の20ページのイの3丸「アイデアが類似する作品が大量に生成されることでクリエーターの市場圧迫が考えられるが、」以降の議論です。当時、この議論を踏まえて脚注で補うのかと思ったら、本文にどかっと追記されていて大いに驚いた記憶があります。「アイデアは保護されない」という著作権法の原則に、法制度小委員会が一石を投じた形になっているんですよね。すごい。(鷹野)

「長期間使いたい」「配信コスト増える」 デジタル教科書で議論〈教育新聞(2025年7月10日)〉

社会

表現を守るため「流通の自由」を守り続ける書店 代表逮捕・運営危機…新宿「模索舎」の波瀾万丈な歴史が本に〈東京新聞デジタル(2025年7月11日)〉

「言葉の情報サイト」を公開〈文化庁(2025年7月11日)〉

なぜ日本人は大人もマンガを読むのか–原点は「マガジン」「サンデー」同時創刊〈nippon.com(2025年7月10日)〉

フランス、漫画とアニメの消費動向と違法コンテンツの現状報告公表(日本、フランス) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース〈ジェトロ(2025年7月10日)〉

7人の日本人漫画家と同人誌の出版スタートアップ代表が語る、熱心なインドネシアファンの実態。グローバルに展開されるオタク市場 | ゲーム・エンタメ〈東洋経済オンライン(2025年7月10日)〉

経済

「AIの利用自体は問題なし」。YouTube、収益化を制限する”量産動画”について補足〈PC Watch(2025年7月11日)〉

生成AI「翻訳」が引き起こす「コンテンツ大航海時代」 日本の漫画が世界で戦う際の“勝ち筋”は?:グロービス経営大学院 TechMaRI 解説〈ITmedia ビジネスオンライン(2025年7月11日)〉

ひとことコメント

韓国Webtoonの最大市場は日本(2022年の輸出額の45.6%)である。このため、日本が海外に進出するために、縦読みをまねすればいいというほど単純ではないが、Webtoonのように全く新しいフォーマットの発明も一つの方法だ。

横読みを縦スクにするだけでも結構な手間がかかることは理解してらっしゃるのかしら? とりあえず、KADOKAWAはすでに「BOOK☆WALKER Global」で英語版「TATESC COMICS」を2022年から配信していることは指摘しておきましょう。「Webtoonのように全く新しいフォーマットの発明」って、具体的にどういうのが考えられるだろう? うーん、立体視とか?(鷹野)

メディアドゥとSHIFT、日本コンテンツの中東展開で協業 SHIFTはクレディセゾンよりメディアドゥ株46万6600株を取得へ〈gamebiz(2025年7月10日)〉

技術

名機「Kindle Oasis」からの乗り換えに適したE Ink端末は? – 山口真弘のおすすめ読書タブレット比較〈窓の杜(2025年7月11日)〉

「Gmail」でメールマガジン送信者を一覧表示して整理できるように〈窓の杜(2025年7月11日)〉

ひとことコメント

アプリのハンバーガーメニューに“Manage subscriptions”という新機能が追加され、ワンボタンで簡単にメルマガ購読解除リクエストが送れるようになるそうです。今後はメルマガ解約率がいまより高くなりそう。まだ私のアプリには来てないな。(鷹野)

情報は奪われるが、利益にはならない AI スクレイピングの誤解と実態〈DIGIDAY[日本版](2025年7月11日)〉

OpenAIのデータ収集、中国勢抜き最大 無断学習がサイト側と摩擦〈日本経済新聞(2025年7月11日)〉

イベント

日本電子出版協会「中国出版事情2025」講師:馬場公彦氏〈オンライン/7月16日〉

文部科学省「図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議(第5回)」〈オンライン/7月17日〉

日本出版学会 出版産業研究部会「出版流通を振り返り・未来を議論する ~『出版流通が歩んだ道――近代出版流通誕生150年の軌跡』」報告者:能勢 仁(ノセ事務所)〈東京都千代田区(八木書店本社ビル)/7月25日〉

日本電子出版協会「生成AI時代の大学ー学び・研究・知の再構築」講師:加藤泰久氏(東京通信大学 教授)〈オンライン/7月30日〉

一般社団法人電子出版制作・流通協議会「2025年電流協電子図書館セミナー」講師パネリスト:植村八潮氏(専修大学教授)ほか〈東京都中央区(日本図書館協会)/8月19日〉

日本出版学会 MIE研究部会「MIEを実践する教員の『成果と課題』――MIEの狙い・成果・評価・悩み」登壇者:野上勇人(開志専門職大学)、森貴志(梅花女子大学)、元永純代(跡見学園女子大学)〈東京都文京区(跡見学園女子大学)+オンライン/9月2日〉

お知らせ

HON.jp News Casting

 おかげさまで特番「2025年上半期の出版ニュースを振り返る ―― / 大西隆幸×菊池健×libro×古幡瑞穂×西田宗千佳×鷹野凌」のライブ配信は無事終了いたしました。アーカイブ配信のチケットは7月末まで販売しています。前半はYouTubeでどなたでも無料で閲覧できます。

ポッドキャスト

「HON.jp Podcasting」をSpotify、Apple、YouTube、Amazonなどで毎週配信中! 出版関連ニュースをぐつっと深掘りしています。番組の詳細やおたより投稿はこちらから。

新刊について

新刊『ライトノベル市場はほんとうに衰退しているのか? 電子の市場を推計してみた』各ネット書店にて販売中です。Kindle Unlimited、BOOK☆WALKER読み放題、ブックパス読み放題、シーモア読み放題にも対応しました!

HON.jp Readersについて

HONꓸjp News Blog をもっと楽しく便利に活用するためのユーザー制度「Readers」に登録すると、週に1回届くHONꓸjpメールマガジンのほか、HONꓸjp News Blogの記事にコメントできるようになったり、更新通知が届いたり、広告が非表示になったりします。詳しくは、こちらの案内ページをご確認ください。

SNS公式アカウントについて

HON.jp News Blogでは以下のSNSにて公式アカウントを運用し、広い意味での出版関連ニュースをメディアを問わずキュレーションしています。ボットではありません。中の人が自分で選んだ記事を手作業で投稿しています。

Bluesky
Facebook
Mastodon
Threads
𝕏(旧Twitter)

noteで書く

広告

著者について

About HON.jp News Blog編集部 2157 Articles
HON.jp News Blogは、これからも本(HON)を作ろうとしている人々に、国内外の事例を紹介し、デジタルパブリッシングを含めた技術を提供し、意見を交換し、仮説を立て、新たな出版へ踏み出す力を与えるメディアです。運営は、NPO法人HON.jp メディア部会が行っています。

コメント通知を申し込む
通知する
0 コメント
高評価順
最新順 古い順
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る