#MeToo ムーブメントはアメリカの文芸誌をどう変えたか

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 この1年で全米に吹き荒れた反セクハラの#MeToo運動によってアメリカの文芸誌のmasthead(発行人欄)がどう入れ替わったかをAP通信が報じている。事例としては以下が挙げられている。

  • 「パリス・レビュー」誌のロリン・スタイン編集長がセクハラの疑いの中、辞任。
  • 書評誌「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」のイアン・バルーマ編集長が、セクハラや暴行の嫌疑で仕事を干されていたカナダのアナウンサー兼ミュージシャンのジャン・ゴメシのエッセイを載せたことを非難され、解雇された。
  • #MeTooは反対意見を許さない運動だと非難したケイティー・ロイフのエッセイを掲載したことについて「ハーパーズ」誌のエディター、ジェームス・マーカスが辞任。

 こういった事件によって、紙面で世界をリードする進歩的な価値観を示す媒体であっても、”中の人”の行動はそれに必ずしも伴わないことが明るみに出た。

 マーカス氏は「パリス・レビューの新編集長が女性であるエミリー・ネメンスになったとか、NYRBからイアン・バルーマがいなくなったのはもちろんショックだが、もっと見えにくいところでも変化が出てきた」と語る。そして男性側の「態度の変化」は正しい方向に一歩を踏み出したばかりだ、とも。

 文学界や批評誌が考えていかなければいけないのは、経営陣や編集スタッフのジェンダーギャップをどう是正していくか、あるいは#MeToo運動で糾弾された側の声をどう取り上げていくかだとAP通信の記事は指摘している。

参考リンク

AP通信の記事

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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