フリーランスのライターが17年かかってようやく電子版の原稿料を受け取る

noteで書く

《この記事は約 1 分で読めます(1分で600字計算)》

 契約書なしに過去の著作物が電子化されたとして出版社を訴え、2014年に和解したIn Re Literary Works in Databasesの判決で、ようやく電子版原稿料と賠償金が支払われた。

 これは2001年に米連邦最高裁が下したTasing vs. New York Timesの判決に続き、出版社はたとえフリーランサーから買い切りで書かせたものであっても契約書なしに電子版を出して流通させることは違法とした裁判で、当初電子版が作られた60万本の記事をめぐり、約3000人が集団起訴に参加した。2005年に最初の判決が下りたが、著作権の有無や賠償金の額などを巡り最終和解案の締結が遅れていた。

 最終的に2492人が総額945万6000ドルの賠償金を分ける。さらに出版社側が、事務費88万9000ドルを含む弁護士代などの費用総額390万6000ドルも負担する。

 原告はThe Authors Guild、American Society of Journalists and Authors、National Writers Union、さらにこれらの団体に属しないフリーランスのライター21人が代表として名を連ねた。

関連リンク

Publishers Weekly

noteで書く

広告

著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
タグ: / /