Adobe MAX 2025開催など 日刊出版ニュースまとめ 2025.10.30

【写真】書店の前にいる猫
Photo by Ryou Takano(+Adobe Firefly 生成塗りつぶし“向こうへ向かって歩いている黒猫の後ろ姿”)
noteで書く

《この記事は約 11 分で読めます(1分で600字計算)》

 伝統的な取次&書店流通の商業出版から、インターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版関連ニュースをデイリーでまとめて配信。ボットではありません。編集部の中の人がすべて自分の目で読んで、手作業でまとめています。2025年のピックアップログ全件はこちら

【目次】

政治

「クリエーターの著作権守る」小野田紀美氏 動画生成AIの著作権問題 体制整備検討〈産経ニュース(2025年10月28日)〉

子どもの半数以上が読書「しない」に松本文科大臣「衝撃」 幼少期振り返り「小さい頃から本を読むのが大好きだった」〈TBS NEWS DIG(2025年10月28日)〉

ひとことコメント

松本洋平氏は私と同い年なんですが、我々が子供のころはいまの子供よりもっと読書してなかったのですよ。そういうデータが「学校読書調査」に残されています。いまの全国SLA公式サイトには直近31年のデータしか載っていないので、昔のデータをWayback Machineから掘り出してきました。不読者(0冊回答)が最も多かったのは1997年で、不読率は中学生55.3%、高校生69.8%と悲惨な数字でした(小学生は1998年の16.6%が最高)。つまり、小中高生が最も本を読んでいなかった時期に、出版市場はピークを迎えていたという、なんとも皮肉な状態だったのです。これが21世紀に入ってからは「朝読」活動などにより改善しているんですよね。あと先日も書いたように、ベネッセの調査はパネルが偏っていることに留意が必要です。たとえば進研ゼミの受講者が多いんです。(鷹野)

社会

「Xデーは意外と早かったな」Web小説サイト『カクヨム』でAI生成小説がランキング1位になり議論を呼ぶ「手法は自由」「1日の投稿数に制限をかけては」〈Togetter(2025年10月29日)〉

電子図書館の利用促進へ 小学校で出張教室 大分〈TBS NEWS DIG(2025年10月29日)〉

議論の背景や会議の〝空気〟まで記録するドキュメンター 米非営利メディアの最前線① 「ふつうの市民」を取材の戦力に【関連イベント11月21日開催】〈SlowNews | スローニュース(2025年10月28日)〉

ひとことコメント

ぐはっ! まるで私を狙い撃ちしたかのようなイベント。日本で非営利メディアを運営する者として、行かないわけにはいかない(二重否定)。申し込みました。(鷹野)

海外の漫画家の卵、花開け 講談社、NYで作品持ち込みイベント〈毎日新聞(2025年10月28日)〉

「おっさん」マンガ、5年で3.5倍に急増―40代以上男性の支持集める BookLive調査〈オタク総研(2025年10月28日)〉

「週刊文春」元編集長が明かす、あの時、私はなぜ社長に「退任」を迫ったのか―体験的「内部告発記」【前編】 【連載】「内部告発を潰す人々」が日本を窒息させる(8)〈JBpress(2025年10月28日)〉

経済

【読書週間特集】独立書店実態調査2025レポート 多様な業態・2011年以降急増〈The Bunka News デジタル(2025年10月28日)〉

ひとことコメント

「13【各商材の売上比率】」が興味深い。アンケートに答えた独立書店120店では、シェア棚の売上比率は0.9%に過ぎないのですね。透明書店が以前明かしていた売上の内訳(黒字化達成月)ではレンタルスペース(=シェア本棚)が約6.6%だったので、直感的に「あり得ない」「もしかして売上に棚貸出料が入ってない?」と思ったのですが、もしかしたら回答店の大半が「シェア本棚をやっていないところ」だったりするのかもしれません。アンケートの送付先は1165店なので、回収率10%程度なのですよね。(鷹野)

技術

Wikipediaと一語一句同じページが続々? Wikipedia対抗サービス「Grokipedia」が物議【やじうまWatch】〈INTERNET Watch(2025年10月29日)〉

ひとことコメント

また、一語一句同じページの存在も複数確認されており、Wikipediaの広報担当者は「GrokipediaでさえWikipediaの存在を必要としています」と皮肉を述べる有り様だ。

大笑いしてしまった。ぎゃはははは。(鷹野)

Googleがなんでも「カワイイ」「アニメ」で解説してしまう。NotebookLMの新テーマを試してみた(CloseBox)〈テクノエッジ TechnoEdge(2025年10月29日)〉

【デジタルトレンド】78 OpenAIのAIブラウザ 「Atlas」登場 メディア・コンテンツビジネスへの影響を探る〈The Bunka News デジタル(2025年10月29日)〉

誰のためのブラウザー? オープンAI「Atlas」が残念な理由〈MIT Tech Review(2025年10月29日)〉

ひとことコメント

「これ、OpenAIのためのブラウザだろ」という結論。手厳しい。(鷹野)

無料デザインツール「Adobe Express」にAIアシスタント、デザイン経験がなくても感覚的な指示で編集可能に〈窓の杜(2025年10月29日)〉

商用可能な画像生成AI「Adobe Firefly Image Model 5」が発表、テキストプロンプトで画像編集が可能に〈窓の杜(2025年10月28日)〉

ひとことコメント

ウェブ版Fireflyを確認したら、デフォルト設定はプレビュー版(Image 5)ではなくGoogle Nano Bananaになっていました。負けを認めてる感がありますね。アプリ版は迷いましたが少し保留。(鷹野)

イベント

出版労連 第51回出版研究集会「出版をあきらめない」講師:下中美都氏ほか〈東京都文京区(出版労連会議室)+オンライン/10月30日〉

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「Independent Power Fes2025」〈WITH HARAJUKU HALL(東京都渋谷区)/11月1日〉

第1回J-STAGEセミナー(JST-STMジョイントセミナー)「学術情報流通のワークフローにおける生成AI活用の展望:学術ジャーナルの改善に資する生成系AIの活用」〈オンライン/11月4日〉

電子出版制作・流通協議会 電流協アワード受賞記念セミナー「AI音声が切り拓く出版DX~活用の最前線と未来展望」〈東京都千代田区(JCIIビル 6F)+オンライン/11月5日〉

日本電子出版協会・情報アクセシビリティ機構「アクセシブル電子出版のための保護と流通の新しい標準 ― ISO/IEC国際規格Readium LCPとJIS化の展望」〈東京都新宿区(旺文社)+オンライン/11月5日〉

伊藤忠記念財団 電子図書普及事業部「読書バリアフリー研究会 ~みんなに読む喜びと楽しさを伝えよう~」〈福島県福島市(福島県立図書館)+オンライン/11月8日〉

日本電子出版協会「DNPが考える『出版のみらいのあたりまえ』」〈オンライン/11月10日〉

日本経済新聞「広報実務における注意点・福井健策弁護士と学ぶ著作権と生成AI」〈オンライン/11月11日〉

IMART2025「成人向けコンテンツの決済停止~金融検閲問題」登壇者:乙川庸之氏、荻野幸太郎氏、兼光ダニエル真氏、稀見理都氏〈事前収録映像/11月13日~〉

日本出版学会賞 受賞記念講演会「『政治の季節』/その後 :1979年前後の文化、出版状況をめぐる考察」報告:山崎隆広(群馬県立女子大学)〈東京都千代田区(専修大学)+オンライン/11月14日〉

国立国会図書館「出版物の除外・確認手続に係る説明会(①デジタル化資料送信サービス ②視覚障害者等への全文テキストデータ提供)」〈オンライン/11月25日〉

ジュンク堂書店 池袋本店「軽出版から考える 本を作ること・売ることの未来」仲俣暁生氏・finalvent氏・坂田散文氏〈東京都豊島区(ジュンク堂書店 池袋本店)/11月25日〉

日本出版学会「2025年度秋季研究発表会」〈大阪府茨木市(追手門学院大学 総持寺キャンパス)/11月29日〉

学校図書館整備推進会議 図書館改革プロジェクト 対談「スマホ依存時代の活字文化振興をめざす」登壇者:川島隆太氏、山口寿一氏〈東京都千代田区(城西国際大学)/11月29日〉

東京文化資源会議「神保町出版流通セミナ―(第2回)―「学術コンテンツと専門書出版社のこれから」」〈東京都千代田区(ちよだプラットフォームスクウェア)/12月1日〉

日本出版学会賞 受賞記念講演会「ごく平凡な能力の私が1年でではないけれど本を出版できた理由」報告:新藤雄介氏(早稲田大学)〈オンライン/12月5日〉

お知らせ

ポッドキャスト

「HON.jp Podcasting」をSpotify、Apple、YouTube、Amazonなどで毎週配信中! 出版関連ニュースをぐつっと深掘りしています。番組の詳細やおたより投稿はこちらから。

新刊について

新刊『ライトノベル市場はほんとうに衰退しているのか? 電子の市場を推計してみた』紙版・電子版が各ネット書店で販売中。Kindle Unlimited、BOOK☆WALKER読み放題、ブックパス読み放題、シーモア読み放題にも対応!

HON.jp Readersについて

HONꓸjp News Blog をもっと楽しく便利に活用するためのユーザー制度「Readers」に登録すると、週に1回届くHONꓸjpメールマガジンのほか、HONꓸjp News Blogの記事にコメントできるようになったり、更新通知が届いたり、広告が非表示になったりします。詳しくは、こちらの案内ページをご確認ください。

SNS公式アカウントについて

HON.jp News Blogでは以下のSNSにて公式アカウントを運用し、広い意味での出版関連ニュースをメディアを問わずキュレーションしています。ボットではありません。中の人が自分で選んだ記事を手作業で投稿しています。

Bluesky
Facebook
Mastodon
Threads
𝕏(旧Twitter)

noteで書く

広告

著者について

About HON.jp News Blog編集部 2251 Articles
HON.jp News Blogは、これからも本(HON)を作ろうとしている人々に、国内外の事例を紹介し、デジタルパブリッシングを含めた技術を提供し、意見を交換し、仮説を立て、新たな出版へ踏み出す力を与えるメディアです。運営は、NPO法人HON.jp メディア部会が行っています。

0 コメント
高評価順
最新順 古い順
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る