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先週は「日販が東武ブックス買収」「KADOKAWAが所沢から印刷直送へ」「アマゾンが印刷会社から直接納入へ」などが話題に。毎週月曜恒例の、出版業界関連気になるニュースまとめ、2018年1月29日~2月4日分です。
講談社、811万円の電子書籍セット「夢箱」。全マンガ読み放題や購入者のマンガ化など特典多数〈PHILE WEB(2018年1月31日)〉
吹いた。先着1名、売り切れ次第販売終了とのこと。公式ページを見る限り、本稿執筆時点ではまだ売れていないようです。「iPad mini」とのセット販売。収録タイトルリストを集計してみたら、3712点が対象でした。ショートルポ漫画とか、見学ツアーなど、いろいろ特典も。
「hon.jp DayWatch」継続へ 日本独立作家同盟と協議〈ITmedia NEWS(2018年1月31日)〉
コメントしづらいのですがあえてピックアップ。現時点では発表されていることがすべてです。
日本出版販売、東武系の書店チェーン買収〈日本経済新聞(2018年1月31日)〉
ますます激化する取次による書店買収攻勢。東武ブックスは元々、破綻した太洋社の帳合だったようです。ブランド変更も行うとのことで、「リブロ」や「あゆみBOOKS」など他のグループ書店と統合していくことになるのでしょうか? なお、日販は2017年7月に、グループ書店1割の閉鎖に踏み切っています。
大日本印刷、AIで本の需要予測 配本精度の向上や返品率の改善へ〈日本経済新聞(2018年1月31日)〉
これで部決会議がなくなるかも? 配本の不均衡が減ったり、返本率の改善に繋がったりという効果が期待されているようです。ただ、こういうのって「類書」の売れ行きからの類推だったりするので、類書がない本には適用が難しく、類書がないと出版できない、という状況が加速しそうな?
1冊単位で製本、48時間以内に配達 KADOKAWA〈日本経済新聞(2018年1月31日)〉
所沢にデジタル印刷機を導入する、というのは2016年6月に発表済みですが、「書籍を注文者の自宅などに直接届ける」というのは新たな情報。やはり中抜きか、という感じ。書店にも配送するようですが、取次は飛ばされる可能性が高そうです。もちろんケースバイケースとは思いますが。なお、デジタル印刷機は講談社・小学館が導入済み。素人目には、見分けがつかないみたいですよ。
アマゾン、出版取次外し加速 印刷工場から直接調達〈日本経済新聞(2018年2月1日〉
取次飛ばしというか、日経の飛ばし? 記事では文藝春秋の名前が挙がっていますが、即座に「そういう事実はない」と抗議文を送られています。図もなんか変。ただ、共同通信によると、印刷工場からアマゾンの倉庫へ直接納入するというのは、アマゾンジャパンが発表した新事業らしいので、大日本印刷・凸版印刷と協力して、という部分に関しては正しそうです。なお、2017年3月には、アマゾンが出版社の倉庫から直接集配する、というニュースがありました。
小説投稿サイトから“原作発掘” DeNA子会社と双葉社〈ORICON NEWS(2018年2月1日)〉
エブリスタと双葉社の協同出資会社「DEF STUDIOS」が設立。出版物だけでなく、映像化や海外展開、ライツ事業などにも取り組むそうです。
出版状況クロニクル117(2018年1月1日~1月31日)〈出版・読書メモランダム(2018年2月1日)〉
毎月楽しみな、小田光雄氏の出版状況クロニクル。鉄道弘済会が秋を目処に、新聞、出版物の取次事業を終了する件についてはニュースソースが載っていないのですが、文化通信で報じられたという情報が。ウェブには記事が出ていないっぽ。
神保町ブックセンターは本の町を再起動させるか〈マガジン航(2018年2月1日)〉
毎月楽しみな、仲俣暁生氏のEditor’s Note。「岩波ブックセンター」の跡地に書店・コワーキングスペース・喫茶店の複合施設「神保町ブックセンター」ができ、NUMABOOKS代表 内沼晋太郎氏がアドバイザーとしても関わるとのことです。どんな立場の人にも開かれた、本と人の交流拠点になるといいですね。
所沢にKADOKAWA、本社機能の半分移転へ〈読売新聞(2018年2月4日)〉
1月31日に「ところざわサクラタウン」の地鎮祭や記者会見が行われ、そこでKADOKAWAの松原眞樹社長が、本社所在地を所沢に移す可能性が高いと明らかにしたとのこと。「半分」がどうなるかわかりませんが、所沢は印刷と物流の拠点になる予定なので、恐らく管理部門が中心なのではないかと思われます。編集機能は富士見に残すんじゃないかしら?