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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は7月25日発行の「出版月報」7月号で、2019年上半期(1月から6月)の書籍・雑誌分野別動向と電子出版市場調査結果を発表した。紙+電子出版市場は7743億円(前年同期比1.1%減)、電子出版市場は1372億円(同22.0%増)と大幅に伸長している。
紙の出版物推定販売金額は6371億円(同4.9%減)で、書籍が3626億円(同4.8%減)、雑誌が2745億円(同5.1%減)。雑誌のうち月刊誌は2241億円(同4.3%減)、週刊誌は504億円(同8.4%減)。なお、出版月報の紙の販売額は取次ルートのみで、直販は含まれない。
雑誌の減少幅は13.1%減だった前年同期に比べると縮小しているが、これは雑誌扱いのコミックス(単行本)が約5%増と伸びたためだという。コミックスが伸びた要因としては、大手出版社が主要レーベルを一斉に値上げしたこと、映像化作品のヒットが相次いだこと、既刊の売れ行きが好調であることが挙げられ、冊数ベースでもプラスで推移しているとのこと。
電子出版市場は、電子コミックが1133億円(同27.9%増)、電子書籍(文字ものなど)が166億円(同8.5%増)、電子雑誌が73億円(同15.1%減)。電子コミックの大幅伸張理由としては、昨年4月の違法サイト「漫画村」閉鎖、話売りや無料試し読みなどのキャンペーンが積極的に行われたことが挙げられている。
電子書籍はライトノベル、ビジネス書、写真集が堅調に伸びている。電子雑誌はシェアの大きい「dマガジン」会員減少の影響が大きく、大幅なマイナスとなっている。なお、これまで電子雑誌として集計されていた電子コミック誌は、概念自体が曖昧になっていて各社の売上高が集計しづらくなっているため、今年から電子コミックへ移動し集計し直しているとのこと。
参考リンク
出版科学研究所