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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は2月25日発行の『出版月報』2020年2月号で、2019年のコミック市場(紙と電子合計)を推計4980億円と発表した。2017年には前年比2.8%減、2018年には1.9%増だったが、2019年は12.8%増と急成長している。
紙のコミックス(単行本)は、『鬼滅の刃』の社会現象的なヒットなどによりプラス成長で1665億円(同4.8%増)。紙のコミック誌は722億円(同12.4%減)。紙の市場合計は2387億円(同1.0%減)。電子コミック(コミック誌含む)は2593億円(同29.5%増)。電子の市場占有率は52.1%と、ついに紙の市場を逆転した。
また、紙のコミックスのうち、雑誌扱いは1472億円(同6.1%増)、書籍扱いは193億円(同4.5%減)。紙のコミックス新刊点数は、雑誌扱いが9295点(同3.1%減)、書籍扱いが3510点(同3.8%増)、合計1万2805点(同1.3%減)となっている。
出版科学研究所が発表している紙の「書籍」と「雑誌」の市場統計には、「雑誌扱いコミックス」と「書籍扱いコミックス」と「コミック誌」が含まれている。そこで、今回発表された数字を基に、書籍と雑誌からコミック市場を分離しグラフ化した。電子を含むコミック市場が、出版市場全体の中でどれほどのシェアを占めているのか、推移が分かるだろう。
なお、電子コミックの市場推計は定額読み放題を含めた「販売額」であり、広告収入は含まれない。また、昨年まで推計値が発表されていた「電子コミック誌」は、概念が曖昧になっていて集計が困難なため、「電子コミック」に統合された。
参考リンク
『出版月報』2020年2月号