2020年コミック市場は紙+電子で6126億円、前年比23.0%増と2年連続急成長で過去最大規模に ~ 出版科学研究所調べ

コミック市場長期推移
コミック市場長期推移(出典:出版科学研究所)

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 公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は2月25日、2020年のコミック市場(紙と電子合計)が推計6126億円と、1978年の統計開始以来過去最大の市場規模になったことを発表した。2017年は前年比2.8%減、2018年は1.9%増だったが、2019年は12.8%増、2020年はコロナ禍による巣ごもり需要もあり23.0%と2年連続で急成長している。

 紙のコミックス(単行本)は、社会現象化した『鬼滅の刃』のヒットなどにより大幅プラス成長で2079億円(同24.9%増)。紙のコミック誌は627億円(同13.2%減)。紙の市場合計は2706億円(同13.4%増)。電子コミックは3420億円(同31.9%増)なので、コミック市場における電子の占有率は55.8%となった。

 また、『出版月報』2021年2月号によると、紙のコミックスのうち、雑誌扱いは1876億円(同27.4%増)、書籍扱いは202億円(同4.7%増)。雑誌扱い・書籍扱いを別にしたコミック市場の推移グラフは以下のとおり。別々に集計されているのが確認できた2002年以降のデータで作成した。

 出版科学研究所が発表している紙の出版市場全体統計は、「書籍」には「書籍扱いコミックス」が、「雑誌」には「雑誌扱いコミックス」と「コミック誌」が含まれている。そこで前年同様、今回発表された数字を基に、書籍と雑誌からコミック市場を分離しグラフ化した。電子を含むコミック市場が、出版市場全体の中でどれほどのシェアを占めているのかをご覧いただきたい。

 なお、電子コミックの市場推計は、定額読み放題を含めた「販売額」であり、広告収入は含まれない。

参考リンク

『出版月報』2021年2月号

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著者について

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HON.jp News Blog 編集長 / NPO法人HON.jp 理事長 / 明星大学デジタル編集論非常勤講師 / 二松學舍大学エディティング・リテラシー演習非常勤講師 / 日本出版学会理事 / デジタルアーカイブ学会会員 / 著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)など。
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