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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は7月26日発行の「出版月報」7月号で、2021年上半期(1月から6月累計)の書籍・雑誌分野別動向と電子出版市場調査結果を発表した。紙+電子の出版市場は8632億円で前年同期比8.6%増。うち電子出版市場は2187億円で同24.1%増だった。
紙の出版物推定販売金額は6445億円(同4.2%増)で、コロナ禍前の2019年比でも1.2%増と、2期連続で増加傾向になっている。なお、出版科学研究所推計の紙の出版物販売額は取次ルートのみで、直販は含まれない。
紙の出版物のうち、書籍は3686億円(同4.8%増)。文芸書、児童書、ビジネス書、新書などの主要ジャンルがプラスで推移した。いっぽう2020年には学校臨時休校の影響で大幅プラスだった学参や、既刊のヒットが目立った文庫本は、今期はマイナスとなった。
また、雑誌は2759億円(同3.5%増)。雑誌のうち月刊誌(コミックス・ムック含む)は2331億円(同5.7%増)、週刊誌は428億円(同7.2%減)。月刊誌のうち、月刊定期誌は約2%減、ムックも約2%減、コミックスは約16%増。コミックスは2020年の大ヒット作『鬼滅の刃』(集英社)の勢いは落ち着いたが、『呪術廻戦』(集英社)、『東京卍リベンジャーズ』(講談社)などが牽引したとのこと。
電子出版市場は、電子コミックが1903億円(同25.9%増)、電子書籍(文字ものなど)が231億円(同20.9%増)、電子雑誌が53億円(同11.7%減)。とくに「DMMブックス」が実施したキャンペーンの販売効果が顕著だったという。電子雑誌は読み放題サービスの減少が続いている。
参考リンク
出版科学研究所のプレスリリース