ニューヨークの立ち退き寸前脚本専門書店を人気ブロードウェイキャストが救済

《この記事を読むのに必要な時間は約 2 分です》

 ブロードウェイ界隈で100年続いてきた脚本専門の「ドラマ・ブック・ショップ」が、店賃高騰のため立ち退きを迫られていると知った俳優のリン-マニュエル・ミランダが、仲間とこの書店を買い取ったとニューヨーク・タイムズが伝えている。

 ミュージカル「ハミルトン」はオープニング当初からなかなかチケットが手に入らないことで有名だが、ミランダはその作曲作詞、主演に加えて書店主の肩書を持つことになる。15万点以上の芝居の脚本や、楽譜、舞台に関する著書を集めたドラマ・ブック・ショップは、2011年に特別トニー賞までもらったが、現在の西40丁目の店舗は1月20日でクローズし、新しいロケーションで秋に再開するという。

 1958年に同店を引き継いだアーサー・シーレン氏は2000年に他界、残された84歳になる妻ロザンヌが細々と経営していたが、蔵書をほとんど原価でミランダらに売り、以後はコンサルタントとして残るという。

 ミランダは「高校の時から昔のロケーションにあった店に入り浸って、脚本を立ち読みしたよ。金がなかったからね」と語る。「ハミルトン」を監督したトミー・ケイルともその店のベースメントで出会い、いっしょにミュージカルを書いたそう。

 ドラマ・ブック・ショップは2016年に水道管の破裂で被害を被ったが、その時もミランダがファンに呼びかけて持ち直したことがあった。「この店は僕にとって家族みたいなものだから」と今回も買取計画を進めた。

参考リンク

ニューヨーク・タイムズの記事
https://www.nytimes.com/2019/01/08/theater/lin-manuel-miranda-hamilton-drama-book-shop.html

エンタメ業界ニュースサイトThe Wrapの記事
https://www.thewrap.com/lin-manuel-miranda-and-friends-help-save-nyc-drama-book-shop-from-closure/

HON.jp News Blogは、みなさまからの寄付金協賛金会費などによって運営されています。
NovelJam 2018秋 グランプリ贈賞式&審査員トークセッション
About 大原ケイ 110 Articles
NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。