「デジタル・ブック・ワールド」カンファレンスの注目株はオーディオブックとスマートデバイス

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 アメリカでは電子書籍市場がピークを超えて縮小気味であるのに対し、オーディオブックが急成長を続けている。この10月2〜4日にテネシー州ナッシュビルで開催される「デジタル・ブック・ワールド」でも、オーディオブックやスマートデバイスに関するセミナーが用意されている。

 デジタル・ブック・ワールドの主催者であるスコア出版のブラッドリー・メットロックCEOは、アマゾンのアレクサやグーグル・アシスタントなどのボイス・アシスタント/スマート・スピーカーの売れ行きが好調であることを背景に、出版産業はこれに対し、どういう取り組みをすべきかを紹介する予定だ。

  • 次にどの本を読むといいかを推薦してくれるディスカバラビリティー機能に注目。個人情報を蓄積したデバイスが、好みに合う本を探し、自分のデバイスにダウンロードしておいてくれるようになる。
  • スマート・スピーカーが普及し、デジタルデバイスの新しいエコシステムができあがるのに備えて、出版社が本のメタデータを整えることがいっそう重要になってくる。
  • ポッドキャスト番組が本のマーケティングに欠かせない時代がくる。

 デジタル・ブック・ワールドは昨年までニューヨークで開催されていたが、徐々に参加者数も展示参加社も減っていたところを昨年、スコア出版が買い取り再出発したところ、今年は3倍の参加者が見込まれているという。

参考リンク

デジタル・ブック・ワールド

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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