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1969年より半世紀続くイギリスのブッカー賞を祝う席で歴代の受賞書の中から「ベストの1冊」としてマイケル・オンダーチェの『イギリス人の患者』が選ばれた。これは一般から投票を募ったもので、『イギリス人の患者』は1992年にブッカー賞を受賞、1996年に映画化され、9部門でアカデミー賞を獲得した作品。オンライン投票で50年を10年一区切りで選ばれた5冊の中から最多票を集計、約9000人が投票した。
オンダーチェは会場で今は亡き映画監督のアンソニー・ミンゲラに哀悼を表し、自分の本が選ばれることになるとは「一瞬たりとも」思わなかったと言い、「映画化が効いたのでは」と語った。
『イギリス人の患者』(映画タイトルは「イングリッシュ・ペイシャント」)は第二次世界大戦中の北アフリカを舞台に、実はスパイであるハンガリー人の考古学者とイギリス人の人妻との恋愛小説でもあり、イタリアで出会うカナダ人の従軍看護師やインド人の爆弾処理兵、さらにはドイツ軍に指を切られ、その復讐に燃える軍人など多彩なキャラクターが織りなす群像劇でもある。
ブッカー賞の審査員のひとりである小説家のカミラ・シャムシーは作品を評して「世界のあちこちで国境問題が起こり、移民や“他人”を懸念する空気が生まれる中、また違った響きを持つに至ったのでは」とあいさつした。
参考リンク
AP通信
https://www.apnews.com/ac386b173031420498e01edacfc7ddbe/’The-English-Patient’-voted-best-Man-Booker-Prize-winner
マン・ブッカー50周年