米PEN協会賞、気骨ある新人の短編集に注目

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 新人の短編集といえば、アメリカでは売り出しにくいジャンルとされているが、今年のPEN協会はブッカー賞や全米図書賞を受賞しているベテラン作家、ジョージ・ソーンダースが絶賛する2人の新人作家による短編集が選ばれる結果となった。

 フィクション部門では、ガーナ系アメリカ人の新人作家、ナナ・クワメ・アジェイ-ブレニャによる短編集『Friday Black』が選ばれた。全米図書賞作家のタナハシ・コーツのように、現代アメリカで黒人男性であることと真正面から向き合い、言葉少なに深くえぐりだす短編が評価された。

 新人賞部門では、海軍兵としてイラクやアフガニスタンに出兵した経験を持つ、ウィル・マッキンの『Bring Out the Dog』が受賞となった。ノンフィクション部門ではミシェル・ティーの『Against Memoir』が選ばれた。アメリカで文学のジャンルとして既に確立された「メモワール」というカテゴリーに収まりきれない、社会異端者の声を拾い上げて評価された。

 ジャンルを問わず、マイノリティー作家の作品に与えられるオープンブック賞は、ナフィサ・トンプソン-スパイヤーズの『Heads of the Colored People』に。翻訳賞には、ノルウェーのハンナ・ウシュタヴィークの『Love』。詩歌部門では、フランスのアンリ・ミショーの『A Certain Plume』が選ばれた。

 この他、バイオグラフィー部門は、イマーニ・ペリーの『Looking for Lorraine』。一般ノンフィクションには、バーニース・ユングの『In A Day’s Work』が受賞。科学ライティング部門の受賞者は、ベン・ゴールドファーブの『Eager』となった。

参考リンク

PEN協会のサイト
https://pen.org/2019-winners/

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About 大原ケイ 135 Articles
NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。

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