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新人の短編集といえば、アメリカでは売り出しにくいジャンルとされているが、今年のPEN協会はブッカー賞や全米図書賞を受賞しているベテラン作家、ジョージ・ソーンダースが絶賛する2人の新人作家による短編集が選ばれる結果となった。
フィクション部門では、ガーナ系アメリカ人の新人作家、ナナ・クワメ・アジェイ-ブレニャによる短編集『Friday Black』が選ばれた。全米図書賞作家のタナハシ・コーツのように、現代アメリカで黒人男性であることと真正面から向き合い、言葉少なに深くえぐりだす短編が評価された。
新人賞部門では、海軍兵としてイラクやアフガニスタンに出兵した経験を持つ、ウィル・マッキンの『Bring Out the Dog』が受賞となった。ノンフィクション部門ではミシェル・ティーの『Against Memoir』が選ばれた。アメリカで文学のジャンルとして既に確立された「メモワール」というカテゴリーに収まりきれない、社会異端者の声を拾い上げて評価された。
ジャンルを問わず、マイノリティー作家の作品に与えられるオープンブック賞は、ナフィサ・トンプソン-スパイヤーズの『Heads of the Colored People』に。翻訳賞には、ノルウェーのハンナ・ウシュタヴィークの『Love』。詩歌部門では、フランスのアンリ・ミショーの『A Certain Plume』が選ばれた。
この他、バイオグラフィー部門は、イマーニ・ペリーの『Looking for Lorraine』。一般ノンフィクションには、バーニース・ユングの『In A Day’s Work』が受賞。科学ライティング部門の受賞者は、ベン・ゴールドファーブの『Eager』となった。
参考リンク
PEN協会のサイト