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海賊版サイトと正規版サイトがだれでも簡単に判別できる「ABJマーク(ホワイトマーク)」の使用申請受付が、一般社団法人電子出版制作・流通協議会(以下、電流協)のサイトで始まった。すでに説明会も数回開催されている。正式運用の開始予定は11月30日から。
ABJマークは、電子出版物の配信事業者に対し、ユーザーが「ここは適法なサービスである」と簡単に識別できるような標識を提供することにより、健全なコンテンツ市場の発展を促進させることを目的として定められた。ABJは “Authorized Books of Japan” の頭文字。デジタルコミック協議会と一般社団法人日本電子書籍出版社協会が設立した「正規版マーク事業組合」が制定し、電流協に委託、管理運用される。電流協の商標(登録番号第6091713号)で、国内だけでなく、国際商標登録手続きも進めているとのこと。
ABJマークには、上4桁の事業者コードと下4桁のサービスコードが、登録事業者・サービスにユニークで付与される。申請、使用は無料。ユーザーは、ABJマークが正規に発行された事業者・サービスなのかどうかを、電流協のサイトにあるホワイトリストで確認できる。言わば、レコード会社と映像製作会社による正規コンテンツを示す登録商標「エルマーク」の、出版版にあたる。
使用対象となるのは、サンプルではなく1冊まるごとの電子出版物を、有償無償問わず配信している事業者で、日本国内に事業所があり電流協で実務の実態が把握できる法人。電子書店に限らず、無料配信アプリや、出版社直営サービスなども対象だ。また、マンガだけでなく、文字ものや写真集なども、もちろん対象となる。なるべく多くのサービスに掲示してもらうことにより、ユーザーへの認知を広げたいという思惑がある。
ただし、著者が自身のサイトなどで自著を配信しているような場合は、対象外となる。また、想定されているのは出版契約を取り交わしているケースで、投稿主体のサイトは排除はしないが、対応が一時ペンディングされるかもしれないとのことだ。
出版広報センターでは11月30日からの正規運用開始に合わせ、3回目となる「STOP! 海賊版」キャンペーンが実施され、新聞広告なども展開される。「ABJマークがあるサービスを利用しましょう!」という訴求がなされる予定だ。
参考リンク
一般社団法人電子出版制作・流通協議会「ABJマーク」のページ