【EPUB有料連載リンク】第23回 Intel Sandy Bridge — ジェリー・パーネル/訳・林田陽子「新・混沌の館にて」

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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、昨年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。

 業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

1月コラムから

Intel Sandy Bridge

 Intelはプレス・コンファレンスを開いて同社の新しいプロセッサを発表した。新しいプロセッサとそれがサポートするシステムは、性能がより向上して、消費電力は少なくなった。映画や他のデジタル・メディアのデジタル著作権管理機能を利用できるように、さまざまなセキュリティ機能が搭載されている。さらに、プロセッサ・ダイにGPUを直接統合している。

 これと同様に重要な点は、CPUのリング・システムによってレベル3のキャッシュを共有することだ。これはPCの新しいアーキテクチャーの突破口となる。Intelはバスを除去するために長年注力しており、それを実現する地道な努力を続けている。このアーキテクチャーにより、1個のチップにいくつでもCPUを追加することが可能になる。

 Sandy Bridgeはオンボードのグラフィックス性能が大幅に向上している点に注目すべきだ。プレス関係者の間でまず話題になったのは、Sandy BridgeのHD Graphicsは、現在あるグラフィックス・カードの半数より速いのではないかということだった。ハイエンド・マシンを使うゲーマーや、グラフィックスが重要な仕事をしている人々は、別個のグラフィックス・カードを備えたシステムを使い続けるだろう。しかし、大部分のユーザーにとっては、この新しいCPUで十分よい。私は、Intelがこの製品でnVidiaのシェアをかなり侵食するだろうと予想している。

【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/

電子書籍アプリ

 10月に入ったころ、iPhone向けの電子書籍アプリが話題になり始めました。日本ではiBookストアが開業していないので、電子書籍を売りたければ、ビューワーが合体したアプリを作らなければなりません。

 iPhoneアプリの制作セミナーも活発に開催され始めました。私は7月の初旬にアップルストアで初めてiPadを見ました。その時にストアのスタッフに「電子書籍を売りたければアプリケーションを作る必要があります。iPadは難しいですよ」と言われた意味がやっと分かりました。

 10月の電子書籍のイベントに参加していたあるライターの方が、紙版がよく売れた本のアプリを作って、iTunesストアで販売していると話していました。私はEPUBファイルは何とか作れましたが、アプリは作れません。インターネットを検索して、どこかアプリを作ってくれるところがないか探してみました。

 最低でも十数万円で、「ブックビューワーは100万円からです」というところもありました。とても私個人で負担できる金額ではありませんでした。

 さらに、米国ではEPUBなどを個人が直接アップロードして登録できます。なぜ日本だけわざわざ余計なコストをかけてアプリに仕立て直さなければならないのだろうと不思議に思いました。

 もう一つ、「Appleは自社と自社製品について書いた本は申請を却下するらしい」という風聞が流れていました。パーネル氏はAppleやApple製品を非難することはほとんど書かれませんし、むしろ、iPadは絶賛しています。しかし、言及すること自体が違反とすれば、iPadのレビューが掲載されている6月コラムの1ページ目でアウトだと思いました。

 何かを売る店があって、商品を販売する場合、陳列する商品を決めるのは店の経営者です。何らかの基準を設けたり、取捨選択をするのが間違っているとは思いません。販売を委託して、課金機能などを利用するなら、マージンなり、利用料なりを支払うのも当然だと思います。しかし、それならば、審査基準が明文化されていないと、申請できるかどうか判断できないと思いました。

 結局、個人の申請費も高額なので、さまざまなことを考え合わせて、アプリを作るのは断念しました。

 今後日本で外資系企業に匹敵する、個人が出品できる大規模なオンライン書店ができるのか、当の外資系企業が日本で開業するのか分かりません。仮にそうなっても最初は試行錯誤が続くかもしれません。しかし将来的に、書店側も出品する個人も納得できる方法が生まれることを願っています。n

問合せ先:「新・混沌の館にて」サイト http://www.sciencereadings.com/

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