誤訳か釣りの「著作権侵害天国・日本」など 日刊出版ニュースまとめ 2024.08.12

Text to Image by Adobe Firefly Image 3 Model(構成参照+“壁一面に本棚のある書店”+生成塗りつぶし“床に寝転んでいるロシアンブルー”)
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 伝統的な取次&書店流通の商業出版から、インターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版関連ニュースをデイリーでまとめて配信。ボットではありません。編集部の中の人がすべて自分の目で読んで、手作業でまとめています。

【目次】

社会

突然「盗作」疑う通知文 イラストレーター襲う「トレパク冤罪」〈毎日新聞(2024年8月11日)〉

ひとことコメント

パクられたと主張する側よりパクったとされた側(冤罪)のほうが制作時期が早かったり、パクられたと主張する側のイラストがそもそも非公開だったりと、さすがにそれはないでしょというめちゃくちゃな話。勝訴したイラストレーターの報告はこちら。無理矢理線を重ねる「トレパク検証」みたいなのも、裁判で完全否定されています。なんというか、お疲れさまでした……(鷹野)

「政治的」じゃない僕、ただ本が作りたい 東京で出版社開業の中国人〈朝日新聞デジタル(2024年8月11日)〉

漫画家の道捨て、選んだ第2の人生は… 防犯チラシで作品描く千葉県警警察官〈共同通信(2024年8月11日)〉

文化的装置としての少女漫画 目に見えない感情を物語に NIKKEI The STYLE 「文化時評」〈日本経済新聞(2024年8月11日)〉

BPOの大義はあくまで言論・表現の自由を守ること 元BPO委員「コンプライアンスにもほどがある」 | GALAC〈東洋経済オンライン(2024年8月10日)〉

【そもそも解説】放送局の自浄促すBPO 政治介入を防ぐ盾の役割も〈朝日新聞デジタル(2024年8月10日)〉

マスコミツイートに付いたコミュニティノート分析〈データをいろいろ見てみる(2024年8月10日)〉

ひとことコメント

面白い検証。確かに、ファクトチェック機関がマスコミを対象外としていることには、私も疑問を感じているんですよね。誤報やミスリードしたときの影響力はマスコミのほうが断然大きいわけで。ちなみに引用されている風刺画のオリジナルは Suter, David. (1985, February). The Dangers of Docudrama. Illustration. TIME, 125(8), 95. です。オリジナルに無粋な丸や“It’s Media”なんて言葉はありません(鷹野)

出版統計・データの現状と問題点①〈mizuho furuhata(2024年8月10日)〉

ひとことコメント

今年の日本出版学会・春季研究発表会で古幡瑞穂氏に登壇いただいたときの内容を、自ら記事化してくれました。私の発表内容はどうしようかな……(鷹野)

経済

米Googleの「脱Cookie」断念 マーケターはこう見る〈日本経済新聞(2024年8月11日)〉

<著者は語る>利益確保へ処方箋 『2028年 街から書店が消える日』 コンサルタント・小島俊一さん(67)〈東京新聞 TOKYO Web(2024年8月11日)〉

「著作権侵害天国・日本」に世界の生成AI企業が引き寄せられている〈クーリエ・ジャポン(2024年8月11日)〉

ひとことコメント

なんだこの酷いタイトルは。「日本は機械学習パラダイス(by 上野達弘氏)」というのは、機械学習のための利用は権利が制限される規定があるから(30条の4)。つまり、著作権侵害にならないから天国なのですよね。フィナンシャル・タイムズの元記事を調べてみたら、タイトルは“Japan’s copyright rules draw AI groups — and alarm from creators(日本の著作権規定がAIグループを惹きつけ、クリエイターからは警戒感)”だったので、これはクーリエ・ジャポンの誤訳か釣りでしょう。あえて言葉を補うなら「(機械学習の権利制限規定がない国から見ると)著作権侵害天国(のように見える)・日本」でしょうか(鷹野)

SNSで勝手に「広告」 戸惑う企業、ステマ規制の想定外 ネット広告 届かぬルール〈日本経済新聞(2024年8月10日)〉

ひとことコメント

広告ではない投稿なのに、予防的に【PR】と付けてしまう事例が増えているとのこと。誤った内容でも企業側がチェックできないから「知らない間にブランドやレピュテーション(評判)を傷つけるリスクがある」と懸念されているそうです。利益供与されていない場合はステマの逆だから「ダイマ」(ダイレクト・マーケティングの略)とか「勝手広告」みたいな表示が流行るといいのかも?(鷹野)

イベント

三省堂書店めくる塾「けんごさんと語ろう 読書の楽しみの伝え方 〜小説の面白さについて・最近おすすめの小説も紹介します。」〈オンライン/8月20日〉

三省堂書店めくる塾「三宅玲子さん&書店主『本屋のない人生なんて−本屋さんトークセッション』」〈オンライン/8月23日〉

国立国会図書館・内閣府知的財産戦略推進事務局「デジタルアーカイブフェス」〈オンライン/8月26日〉

シンポジウム「デジタルシフトの次へ―米国議会図書館の新戦略から見えてくるもの―」〈国立国会図書館 東京本館 新館 講堂/9月24日〉

お知らせ

◆ 今年もやります! デジタル・パブリッシングの可能性と課題について議論するオープンカンファレンス「HON-CF(ホンカンファ)2024」は9月6日(金)~8日(日)の開催です。詳細はこちらのURLから近日公開予定。Coming soon!

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