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この連載は、私という無名作家が、どのようにしてネットを使っていったかという、記録である。
2003年12月、私は楽天日記というブログをスタートさせた。さらに、メールマガジンの発刊準備をまぐまぐで始めた。
「自分という作家の知名度を上げたい」という一心だった。なぜならば知名度と本の売り上げは比例すると聞いたからだ。だからネットで自分をPRしまくるつもりだった。
内藤みか(ないとう・みか)
1971年生まれ。作家。著書54冊。自著を売るためにネットを駆使しまくる日々。
公式HP:
http://www.micamica.net
メールマガジン:
内藤みかの“お安いのがお好き☆
2003年12月。
私は楽天日記というブログをスタートさせた。さらに、メールマガジンの発刊準備をまぐまぐで始めた。
周囲は、驚いた。
止める人のほうが多かった。
「毎日あんなに原稿を書いているのに、これ以上まだ書くつもりか!」
「プロ作家なのに、タダでネット原稿を書いてどうするんですか!?」
「メールマガジンなんて、いちいち出す必要あるんですか?」
などと結構言われた。
当時私は週刊プレイボーイの連載や他にも月刊連載、短編小説数本、さらに単行本の書き下ろし……と、1ヶ月に500枚は下らない原稿料を書いていた。1ヶ月実働25日だとしたら、1日に400字詰め原稿用紙で20枚は書かなくてはならない。それだけでも人から見れば、かなりの執筆量らしい。私自身はもう数年以上このペースで書き続け、著書もその当時で四十冊以上あった。だから、これが普通だったのだけれど。
ただでさえ書きまくっている私が、さらに書くというのだから、皆が呆れるのもムリはない。
「今書いているネット日記(当時さるさる日記を毎日更新していた)だけで充分なんじゃないのか」
と、よく言われた。でも私は全然いいと思えなかった。なぜならさるさる日記のアクセスが1日に150人程度だったから。
私は別に自分の考えることを発表したいからネットを使うつもりではなかった。だってすでにもの書きなのだから、伝えたいことを発表するすべは、あったのだから。
では何のために、私は皆の言う「タダ原稿」を書こうと思ったか。それは「自分という作家の知名度を上げたい」という一心だったのだ。なぜならば知名度と本の売り上げは比例すると聞いたし、自分の本の売り上げが伸び悩んでもいたからである。
この連載は、私という無名作家が、どのようにしてネットを使っていったかという、記録である。