「漫画村元運営者逮捕」「日本漫画家協会と出版広報センターがダウンロード違法化リーチサイト規制に共同声明を発表」など、出版業界気になるニュースまとめ #392(2019年9月23日~29日)

出版業界気になるニュースまとめ

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 2019年9月23日~29日は「漫画村元運営者逮捕」「日本漫画家協会と出版広報センターがダウンロード違法化リーチサイト規制に共同声明を発表」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

漫画海賊版の容疑者きょう逮捕へ フィリピンから日本に強制送還〈共同通信(2019年9月24日)〉

出国「逃げたわけでない」 比拘束の漫画村元運営者〈共同通信(2019年9月24日)〉

「楽しいキャンプ生活」… 「漫画村」容疑者の 隠されたメッセージ〈FNN.jpプライムオンライン(2019年9月24日)〉

星野容疑者きょう逮捕 漫画村、日本に強制送還〈共同通信VIDEO(2019年9月24日)〉※映像あり

漫画村元運営者を逮捕〈共同通信(2019年9月24日)〉

漫画村に複数の海外口座 収益の流れ隠す狙いか〈共同通信(2019年9月24日)〉

https://this.kiji.is/549416632866948193
 ようやく移送・逮捕ということで、いろいろ情報が出ているのでまとめてピックアップ。海外からの犯罪者移送って、日本領空へ入ったら機内逮捕するんですね。知りませんでした。フィリピンで撮影された写真では笑みさえ浮かべているのがなんとも不敵。

資格取得専門予備校TAC、受講生対象のデジタル教材サービス提供開始〈HON.jp News Blog(2019年9月24日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/26379
 TAC初のデジタル教材サービスということでピックアップ。

海賊版サイトなお続々 広告収入億単位も 専門家「抑止へ厳罰化を」〈西日本新聞(2019年9月25日)〉

https://this.kiji.is/549336398642758753
 漫画村運営者が逮捕されたものの、類似海賊サイトは雨後の筍状態になっているようです。集英社、講談社、出版広報センター、コンテンツ海外流通促進機構(CODA)などがコメントを寄せています。

ドン・キホーテ、Google Play対応・縦横比4対3の7.85インチAndroidタブレットを9月27日から税別9980円で発売〈HON.jp News Blog(2019年9月25日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/26388
 Google Play対応なので、プリインストールされているアプリ以外の電子書店も、Androidに対応していればもちろん使えます。スペック的にはアマゾンの廉価版タブレット「Fire 7」16GB版(5980円)に近いです。電子書籍専用、つまり、映像を観るとかとかゲームをやろうと思わなければ、最低要件は満たしているという感じ。2013年にeBookJapanがASUSとコラボした「MeMO Pad ME172V」を思い出しました(↓当時のレビュー・こちらはコミック全巻セットとバンドルになっていた点が特徴)。

【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】7型ながら2万円台半ばの電子ペーパー端末、楽天「Kobo Libra H2O」 ~防水対応でページめくりボタンも搭載〈PC Watch(2019年9月25日)〉

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ebook/1208902.html
 普段は辛口で端末レビューする山口真弘氏が、けっこう高評価。物理ページめくりボタンは、片手で読んでいるとたまに画面タップに失敗することがあるのがイラッとするので、あれば重宝しそうです。

日本漫画家協会と出版広報センターが「侵害コンテンツのダウンロード違法化」と「リーチサイト規制」に関する共同声明を発表〈HON.jp News Blog(2019年9月25日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/26396
 両団体から共同で、違法化そのものが不要と思っているわけではない、という声明です。とくにリーチサイト規制についてはとくに大きな反対意見がなかったため、ダウンロード違法化見送りの「まきぞえ」になってしまったという声も当時ありました。この共同声明は、法制化へ向けた大きなターニングポイントになりそうです。

原画などアニメ資料アーカイブの提案 学研都市のワンビリング〈京都新聞(2019年9月26日))〉

https://this.kiji.is/549818630621316193
 原画などの中間生成物をただ保管しておくのではなく、デジタルアーカイブにして利活用しませんか? という提案。それが収益を生むなら、民間デジタルアーカイブが促進されそう。原画集を制作する際にも、物理メディアを貸し出すのではなくデータを利用してもらえば、紛失や汚損などの恐れがなくなるという利点もあるように思います。

いわもとたかこ 未来への想像力を科学と感情が刺激する―― 「マンガミライハッカソン」プレトーク 「マンガのシンギュラリティ」レポート〈マンガ・アニメ3.0(2019年9月26日)〉

https://mapdate.net/post-0030/
 10月から11月にかけて石飛びでのべ3日間開催される「マンガミライハッカソン」のプレイベントレポート。NovelJamのような創作ハッカソンが、他ジャンルでも開催されるのは喜ばしい。相乗効果、高まれ!

愛知 国際芸術祭への補助金 不交付の方針 文化庁〈NHKニュース(2019年9月26日)〉

日本ペンクラブ会長談話 「文化庁の補助金不交付決定の撤回を求め、『あいちトリエンナーレ2019/表現の不自由展・その後』のすみやかな再開を期待する」〈日本ペンクラブ(2019年9月26日)〉

大村知事、国を訴える考え 不自由展の補助金とりやめで [「表現の不自由展」中止]〈朝日新聞デジタル(2019年9月26日)〉

文化庁による「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付の撤回を求める会長声明〈表象文化論学会(2019年9月28日)〉

あいちトリエンナーレ補助金不交付の支離滅裂 – 米山隆一〈論座 – 朝日新聞社の言論サイト(2019年9月28日)〉

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019092700007.html
 脅迫行為によって一部の展示が中止を余儀なくされているイベント全体に対する補助金が、事前に予測できたはずだから脅迫された側にも責任があるという理由で採択後に不交付になってしまうという、まさかの事態に。まるで後出しじゃんけんですが、こういうのってアリなんですか? 正直、現時点では情報を追い切れていないためちょっと突っ込んだコメントをしづらいのですが、いままでとは異なる方面からも強い批判が噴出しているいっぽう、擁護する意見も少なからず観測されます。むー。

台湾発「誠品生活」日本橋に初出店 書店中心に文具、台湾茶やスイーツも〈J-CASTニュース(2019年9月27日)〉

有隣堂/松信副社長が語る「誠品生活日本橋」運営への挑戦〈流通ニュース(2019年9月27日)〉

https://this.kiji.is/550180716175098977
 台湾の「誠品生活」が日本上陸。9月27日にオープンした商業施設「コレド室町テラス」の目玉とのこと。いちど様子を見に行かねば。

海外

冨田健太郎 斜めから見た海外出版トピックス 第26回 オーディオブックをめぐって〈DOTPLACE(2019年9月26日)〉

http://dotplace.jp/archives/36784
 アマゾン子会社オーディブルの、自動字幕付きオーディオブック「キャプションズ」が、8月下旬に出版社から訴えられた(↓)件の続報です。なんとなく、フェアユースを主張しそうだなと思っていたのですが、予想通りの展開。

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著者について

About 鷹野凌 793 Articles
HON.jp News Blog 編集長 / NPO法人HON.jp 理事長 / 日本電子出版協会 理事 / 日本出版学会理事 / 明星大学 デジタル編集論 非常勤講師 / 二松学舍大学 エディティング・リテラシー演習 非常勤講師 / デジタルアーカイブ学会 会員 / 著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)など
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