《この記事は約 2 分で読めます(1分で600字計算)》
【編集部記事】欧州委員会(本部:ベルギー)は現地時間12月1日、EU加盟国の間で紙書籍vs.電子書籍のVAT率(日本でいう消費税)で大きな格差が生じている件を解決するため、その手法を含めた改正法案を欧州議会に提出したとのこと。
欧州委員会はもともと、紙書籍は「文化財」で電子書籍は「電子サービス」としていたため、後者の税率は高くあるべきとしていた。しかし、現在の電子書籍ブームが始まった2007頃からAmazon、Apple、Koboなど海外電子書籍ストア大手はその迂回策として3%というVAT税率優遇政策を行なっていたルクセンブルクに法人登記。2015年1月、対抗策として欧州委員会はそれを阻止する新VATルールを施行。しかし、各国の出版業界団体からの抗議などもあって今年になって減税に方針転換し、ますます混乱状態となっていた。
2015年の改正時に欧州委員会自ら電子書籍購入者の居住国をベースにVAT税率を適用するようにしてしまったため、今回の改正法案ではそれを”再度パッチ当て”的に解決するため、EU政府が「統一納税処理ポータルサイト」を構築・運用するアプローチを提案している。実際にこの”統一納税ポータル”案が議会で承認されるかどうかや施行時期については、まだ不明。【hon.jp】
問合せ先:欧州委員会のプレスリリース( http://europa.eu/rapid/press-release_IP-16-4010_en.htm )