いちから始めるアメコミ出版社に勝算はあるか?

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 アメリカン・コミックといえば、バットマンのDCコミックスと、スパイダーマンのマーベル・コミックス2社の複占市場に近い。そこに新しいプレーヤーが入っていけるだろうか?とニューヨーク・タイムズがコミック出版社を紹介している。

 2大コミック社以外では、ロバート・カークマンが描く『The Walking Dead』シリーズを出すイメージ・コミックス社のように、クリエイター中心に展開されるコミックに限られているが、Artists, Writers & Artisans(以下AWA)という新出版社はその中間という形で、同社のスーパーヒーローが絡み合う展開もあれば、1人のヒーローでのコミックも出していく。

 マーベルでCOO兼編集主幹を務め、AWAで同じ役職に就いたビル・ジェマス氏は、AWAのやり方を、旧き良きハリウッド映画会社に例える。「昔のユナイテッド・アーティスト社のように、クリエイターらが自ら企業オーナーとして、経営判断をしていきます」という。彼の他にはマーベルの編集長だったアクセル・アロンソ氏がチーフ・クリエイターとして、さらに同社のジョナサン・ミラー氏が会長として加わる。

 最初のラインアップには、企業スパイ集団が暗躍する『American Ronin』、宇宙の女王の座を争う戦士を描いた『Fight Girls』、行方不明になった娘を追う母親がヒーローの『Bad Mother』などが準備され、今秋デビューするという。

参考リンク

ニューヨーク・タイムズの記事
https://www.nytimes.com/2019/03/20/arts/awa-comic-books-publisher.html
ハリウッド・レポーターの記事

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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