英ベストセラートップ100からわかる7つのこと

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 2019年を迎えてイギリスではオーディオブック、政治ノンフィクション、ブッククラブやニッチな定額読み放題サービスなどに期待がかかっているが、昨年のトップ100ベストセラーからわかる読書傾向を経済紙フォーブスが分析している。

  1. フィクションのベストセラーはほとんどが「クライム・スリラー」で最大手出版のペンギン・ランダムハウス刊行のタイトルが75%以上を占める。
  2. 紙の本ではSFやロマンスはあまり人気がない。セルフ・パブリッシングやアマゾン出版によるEブックがこの2つのジャンルの48%を占める。
  3. トップ100として売れた1600万冊のうち、31%が児童書。
  4. イギリスで去年売れた児童書のうち、40%にあたる191万冊が俳優やコメディアンとして活躍するデイビッド・ウェイリアムズによるもの。
  5. ノンフィクションでは食べ物とポピュラーサイエンスの本が約半分を占めた。
  6. ビッグ5のうち、2018年は大手ペンギン・ランダムハウスとアシェットが勝者となった。
  7. フィクションの作家は14万部売るとベストセラー入りする。

 これらのトレンドは作家のクリス・マクラデンがツイッターで分析したのをベースにしており、データはニールセンのブックスキャンによる紙の本のデータによる。

参考リンク

フォーブス誌の記事
https://www.forbes.com/sites/adamrowe1/2019/01/05/publishing-insights-revealed-by-last-years-top-100-bestselling-books
クリス・マクラデンのツイッターアカウント

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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