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株式会社メディアドゥホールディングスは12月18日、インターネット技術の世界的標準化推進団体である W3C(World Wide Web Consortium)に加盟したことを発表した。これによりメディアドゥホールディングスは、電子書籍の国際標準規格策定への提言活動をより強化するのと同時に、未来の出版に関する世界最先端の技術や情報を入手することが可能になったとしている。
電子書籍の国際標準規格「EPUB(Electronic PUBlication)」を推進してきた団体 IDPF(International Digital Publishing Forum)は2017年1月に W3C へ統合され、今後の国際標準規格は W3C 内に設立された Digital Publishing Business Group において議論されている。
W3C アジア(中国を除く)担当ホストである慶應義塾大学SFC研究所は2017年4月に、W3C で行われる EPUB 標準仕様検討や、日本での電子出版を研究・推進する目的でアドバンスド・パブリッシング・ラボ(APL:Advanced Publishing Laboratory)を設立している。
APL の参加理事社は、株式会社KADOKAWA、株式会社講談社、株式会社集英社、株式会社小学館と、メディアドゥホールディングスの子会社である株式会社出版デジタル機構だった。メディアドゥホールディングスの W3C 加盟を受け、APL 加盟社は2019年4月より、出版デジタル機構からメディアドゥホールディングスに変更予定とのこと。
なお、メディアドゥグループではブロックチェーン技術を活用した新たな電子書籍流通基盤を研究しており、これを国際展開するためのネットワークとして活用することも視野に入れているという。
オピニオン
メディアドゥホールディングスはリリースで「未来の出版フォーマット策定に積極的に関与」すると言っている。これを読んで筆者は、2015年に IDPF エグゼクティブディレクター(当時)のBill MacCoy 氏が来日した際の講演で「汗をかいた人間とお金を払った人間の意見が強くなるのは、デジュール(標準規格)の世界のスタンダード」と言っていたのを思いだした。ぜひ、積極的に関与していって欲しい。
参考リンク
メディアドゥホールディングスのプレスリリース