【EPUB有料連載リンク】第5回 違法コピーで電子書籍を制作?  その2– ジェリー・パーネル/訳・林田陽子「新・混沌の館にて」

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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、今年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。

 業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

9月コラムより

違法コピーで電子書籍を制作? その2

一方、 Eric PobirsとPeter Glaskowskyは、私のフィクションといくつかのノンフィクションのきれいなコピーを一生懸命探してくれている。私はそれらを読んで、その間に、Kindleで出版できるものを探すつもりだ。Ericは、昔の「BYTE」のコラムを整理してくれている。いつか、私は面白いコラムを選んで、現在のコメントをつけてまとめるつもりだ。それが有用なプロジェクトになるかどうか分からない。私が有用というのは、労力に値するだけの部数が売れるということだ。コンピューター革命の初期の時代に興味を持つ人がいるものだろうかと思うこともあるが、コラムの中にはなかなか良いものがあったので、興味を持ってもらえるかもしれない。さらに、印税が70%あれば、非常に高名な作家でないなら、1000部ほど売れれば、既刊の本の電子版を出版する労力の対価としては十分だろう。ある作家が最初に出すフィクション本に対して大手出版社が支払う前金は、平均約5000ドルだ。出版社は、たいてい全額売り上げから取り戻せる。もちろん、Nivenと私はもっともらっている。しかし、我々の本は、前に書いた原稿を寄せ集めて、コメントつけて作る本より、格段に手間がかかる。

私の友人のFrancis Hamitは出版界の新しい方式について、かなり時間をかけて学習している。そして、私は先月これについていろいろ述べた。この話はまだまだ進展している。しかし、電子出版が作家にとって今後非常に重要になっていくと私は確信している。

【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/

コンテンツの価格、電子書籍の価格

コラムの翻訳の有料販売を考え始めた時、価格をいくらぐらいに設定するかは非常に大きな問題でした。この頃、電子書籍という考えはまだなく、Webサイトに掲載した記事を販売する方式だけを考えていました。Webコンテンツは無料が常識なので、課金は相当難しいと思われました。

同じように個人でホームページを作り、個人で書いた記事を載せて販売しているところを探したところ、2件しか見つかりませんでした。月額購読料は、850円と500円でした。量はどうあれ、これは高すぎると思いました。この金額なら、雑誌が1冊買えるからです。

このコラムは、1カ月分が400字換算で40枚前後です。長めの雑誌記事にして、数本分というところでしょう。雑誌記事をばら売りするとしたらどうするか考えました。

この時私が考えたのは、携帯電話やAppleのデバイスのアプリの価格です。ゲームや楽曲がだいたい200円から300円ぐらいでした。これぐらいの金額でないと、売れないだろうと思いました。書籍でしたら、もちろん中身がはるかに多いわけですから、もっと高い金額を設定したと思います。このコラムは毎月更新していくので、購読料を払い続けてもらわなければなりません。

後になって、電子書籍形態での販売を始めることに決めた時、正直こちらの方が売れるだろうと思いました。電子書籍は最初から、「有料のもの」と認識されていたからです。

ただ、この売値で、果たして1カ月にどれぐらいの収入が得られるのか?人数別の収入金額を一覧表にして、パーネル氏にどれぐらいの版権料が支払えるか、考え始めました。n

問合せ先:新・混沌の館にて」サイト( http://www.sciencereadings.com/

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