月尾嘉男氏(東京大学名誉教授)
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情報の洪水と捏造の時代におけるデジタルアーカイブの意義

 デジタルアーカイブ推進コンソーシアム(DAPCON)は7月18日、2019年デジタルアーカイブ産業賞授賞式典を開催した。1990年代半ばに世界で初めて「デジタルアーカイブ」という言葉を提唱した月尾嘉男氏(東京大学名誉教授)に特別功労賞が授与され、「デジタルアーカイブの危機」と題した記念講演会が行われた。本稿では、その講演の模様を私見を交えつつレポートする。

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ローカル紙合併にみるアメリカ新聞産業の苦境

 新聞社2社が併せ持つローカル紙(community paper)が250紙以上という状況は、日本の新聞読者にはわかりづらいかもしれない(8月8日の記事「米地方紙大手2社が合併、250紙以上を抱える大所帯に」を参照)。実際には、さらにその6倍もの数のローカル紙が全米に散在している。なぜ、そういう構造になっているのか、今回の合併でどういうことが起こるのか、アメリカの新聞産業の状況はどうなのかが、少し […]

NewsPicks取締役 佐々木紀彦氏
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読者と文脈を共有し「0.1秒の奪い合い」からの脱出を図る ~「本で、希望を灯す」NewsPicksパブリッシングが目指すこと

 7月25日、経済メディアNewsPicksは書籍の新レーベル「NewsPicksパブリッシング」の立ち上げを発表した。「本で、希望を灯す」をビジョンに掲げ、10月からビジネス書に限らず人文書も刊行していく。昨今では、ウェブメディアが紙の書籍を刊行する事例が目立っているが、なぜあえて書籍の刊行なのか。7月上旬に行われた新レーベル設立パーティから、NewsPicks取締役 佐々木紀彦氏、NewsPi […]

Legal Tech Forum Vol.3 知財の未来
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違法サイトと印鑑文化をテクノロジーで駆逐 ~ 作家や出版社の法務もITで支援する“リーガルテック”サービスのいま

 弁護士ドットコム株式会社は7月9日、渋谷区の hoops link tokyo にてイベント「Legal Tech Forum Vol.3 知財の未来」を開催した。同社が提供する違法サイト撲滅支援ツールと、印鑑文化に立ち向かうクラウド契約サービスを中心に、知財の問題や出版の課題について語られたこのイベントをレポートする。

弁護士・福井健策氏(左)と東洋大学准教授・生貝直人氏(右)
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著作権法改正がデジタルアーカイブに与える影響と今後の課題 ~ アーカイブサミット2018-2019第1分科会レポート

 アーカイブサミット組織委員会は6月11日、千代田区立日比谷図書文化館で「アーカイブサミット2018-2019」を開催した。私が参加した第1分科会「近年の一連の著作権法改正の動きの背景とその本質、これからの影響」で行われた議論を中心に、デジタルアーカイブ整備推進法(仮称)成立へ向けた課題について考察してみたい。

私の東京藝術大学物語
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一人のファンとして、著者の新たな一面と出会えた日

 5月12日に東京ビッグサイト・青海展示棟で開催された、オリジナル作品展示即売会「COMITIA128」。COMITIAは「創作物の発表の場」として、頒布物をオリジナル作品に限定しているのが特徴だ。そこへ訪れた人はなにを求め、そして、どんな本と出会ったのだろうか? 小桜店子氏に寄稿いただいた。

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歴史を扱う本にウソが見つかった時、アメリカの出版社ではどう対処しているのか?

 通史や歴史上の人物に関する重厚なノンフィクションといえば、ウォルター・アイザックソンの最新作『レオナルド・ダ・ヴィンチ』やユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』など、日本でもよく読まれています。  間違いや事実誤認の全くないノンフィクションの本を出し続けるのは、どんな出版社でも不可能でしょう。では、アメリカではノンフィクションの本を出す際に、どのような手順が取られ、どの程度校正をやり、それで […]

マンガ図書館Z
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テクノロジーを活用して作品を地球の裏側の人にも読ませたい ―― 人間がやりたくてもやれないことをITで実現する

 第1回、第2回と「マンガ図書館Z」を運営する株式会社Jコミックテラスの取締役会長でマンガ家の赤松健氏と佐藤美佳氏(現:Jコミックテラス代表取締役社長)に話を伺った。では、親会社である株式会社メディアドゥホールディングスはどう考えているのか? メディアドゥホールディングスの溝口敦氏(取材当時のJコミックテラス取締役)に話を伺った。 [取材担当:まつもとあつし氏、取材実施日:2018年10月23日]

マンガ図書館Z
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マンガ図書館Zは「書店」ではなく、作品に優劣をつけない「図書館」―― 無料公開が海賊版サイトへ間接的にダメージを与える

 株式会社Jコミックテラスが運営する「マンガ図書館Z」が実業之日本社と実施している実証実験。取締役会長でマンガ家の赤松健氏と佐藤美佳氏(現:Jコミックテラス代表取締役社長)へのインタビュー後編です。前編はこちら。 [取材担当:まつもとあつし氏、取材実施日:2018年10月18日]

マンガ図書館Z
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出版社にもメリットがある座組みを ―― マンガ図書館Zがメディアドゥホールディングス傘下でいまなお続ける挑戦

 株式会社Jコミックテラスが運営する「マンガ図書館Z」は、過去に実業之日本社から出版された作品で、現時点では紙・電子ともに販売されていないものを収集、無料配信する実証実験を2018年8月から開始した(発表時の記事)。実験開始から数カ月経った時点で、取締役会長でマンガ家の赤松健氏と佐藤美佳氏(現:Jコミックテラス代表取締役社長)に、改めて話を伺った。 [取材担当:まつもとあつし氏、取材実施日:201 […]

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未昔雑誌
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和本という装丁に自由な発想のSF、巧みな伝統と未来の融合にはもう嫉妬しかない

 5月7日に東京流通センターで開催された、文学作品展示即売会「第二十八回文学フリマ東京」。来場者数は合計5166人と、過去最高記録を更新する大賑わいだった。そこへ訪れた人はなにを求め、そして、どんな本と出会ったのだろうか? 出店者でもあった波野發作氏に寄稿いただいた。

ハフポストブックス創刊記念セミナー
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世の中に会話のきっかけを届けたい ~ ハフポストブックス創刊記念セミナーレポート

 ハフポストブックス創刊記念セミナー「いま、良いコンテンツはどこに集まるのか? SNSばかりを見ていると分からない『メディアと出版の未来』」が5月8日に開催された。主催は株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンとアカデミーヒルズ。「ハフポスト日本版」編集長 竹下隆一郎氏、ディスカヴァー・トゥエンティワンの取締役社長 干場弓子氏、そして、ピースオブケイクのCEO 加藤貞顕氏が登壇し、メディアと出版の […]

松井剛『アメリカに日本のマンガを輸出する』
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クールジャパンは“シャレ”だった? ―― アメリカで日本のマンガを売ることの難しさ

 4月22日に日本電子出版協会(Japan Electronic Publishing Association、以下JEPA)主催、一橋大学の松井剛教授による「アメリカに日本のマンガを輸出する」と題されたセミナーに参加してきた[編注:松井氏による同名の著作が有斐閣から3月14日に刊行されている。サブタイトルは「ポップカルチャーのグローバル・マーケティング」]。私自身が主に日本の文芸作品を中心に欧米 […]

ニコニコ静画(マンガ)のBOOK☆WALKER公式
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同人誌のダウンロード販売って売れるの? ~ マンガ家大塚志郎氏(うみはん)インタビュー

 電子書店「BOOK☆WALKER」は2月8日、「BOOK☆WALKER大賞」を発表した。各ジャンルでの売上上位作品をノミネートし、読者投票によって決まるという賞だ。その部門賞「同人誌・個人出版賞」に輝いた『無人島に何か一つ持ってくとしたら何持ってく?って話』の著者、大塚志郎氏(サークル名:うみはん)にインタビューを行った。

ダウンロード違法化
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「スクショ違法化」ってどういうこと? マンガ家などクリエイターが反対しているのはなぜ? 法学者や弁護士などの緊急声明「海賊版対策に必要な範囲に限定すべき」なのはなぜ?

 いま、海賊版サイト対策を目的とした、著作権法の改正が検討されています。そんな中、「スクショもNG」などといった報道もあり、不安になっている方も多いようです。日本マンガ学会など、クリエイター側からも反対の声が上がっています。さらに、法学者や弁護士などが「海賊版対策に必要な範囲に限定すべき」と緊急声明を出しています。  本稿では、そもそも現行の「ダウンロード違法」とはどういう制度なのか? それがどう […]

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「諦めが悪いんですよ」電子専門出版社の生存戦略 ~ 株式会社アドレナライズ 代表取締役 井手邦俊氏インタビュー

 急成長を続けいまや太い「柱」となった感のある電子コミック市場に対し、「文字もの」と呼ばれる電子書籍市場はいまだ書籍市場の4.4%程度。成長市場ではあるものの、その規模はまだまだ小さいのが現状だ。そんな中、ほとんどのラインアップが文字ものという、電子出版専門の出版社が存在する。それが株式会社アドレナライズだ。代表取締役の井手邦俊氏に、これまでの経緯や現況について話を伺った。

赤松健氏
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実効性のない法律に意味はあるのか?「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会」レポートと考察

 「二次創作のイラストをダウンロードするのも違法となる可能性がある」「悪意ある侵犯者には効果がないような法改正にどんな意味があるのか?」 ── 2月8日に参議院議員会館で開催された「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会」では、マンガ家の竹宮惠子氏や赤松健氏など、本来は著作権法で権利を守られる立場であるクリエイター側から、このような疑問や反対の声が上がった。本稿ではこの集会のレポートを交えながら […]

福井健策氏×津田大介氏
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著作権保護期間が延長された世界でも、できることはたくさんある #著作権延長後

 著作権の保護期間延長に反対していた6団体は1月10日、共催で公開シンポジウム「著作権延長後の世界で、我われは何をすべきか」を東京ウィメンズプラザにて開催した。主催は青空文庫、本の未来基金、デジタルアーカイブ学会、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、インターネットユーザー協会、thinkC。以下、詳細にレポートする。