書協が生成AI対応の契約書ヒナ型を準備など 日刊出版ニュースまとめ 2026.03.31

【写真】オリオン書房 ノルテ店
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 伝統的な取次&書店流通の商業出版から、インターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版関連ニュースをデイリーでまとめて配信。ボットではありません。AIも使っていません。中の人がすべて自分の目で読んで、手作業でまとめています。2026年度のピックアップログ全件はこちら

【目次】

お知らせ

2026年5月4日(月)開催の文学フリマ東京42に「HON.jp Books」として出店します。ブース位置は南3-4ホール こ-47〜48です。出版創作イベント「NovelJam」の合本などを販売する予定です。

総合

「KADOKAWAの筆頭株主、ソニーグループから“物言う株主”オアシスに」「AIの出力結果を検証もせずそのまま用いるとこうなる」など、週刊出版ニュースまとめ&コラム #708(2026年3月22日~28日)〈HON.jp News Blog(2026年3月30日)〉

「たばこ訴訟」の再来か メタとグーグル、SNS依存めぐる初の陪審裁判で敗れる【Media Innovation Weekly】3/30号〈Media Innovation(2026年3月30日)〉

OpenAI 動画生成Sora終了へ ディズニーとの提携も解消 Publidia #251〈Publidia(2026年3月30日)〉

【北米エンタメニュースまとめ】「中国発IP、映画の成功で収益化」「実写BLドラマ大国、タイの書店事情とは!?」「『コンテンツは日本の石油です』サウジのアニメ人気、仕掛け人に聞く」〈libro(2026年3月29日)〉

【マンガ業界Newsまとめ】「マンガ大賞2026」大賞は「本なら売るほど」物言うファンドオアシスがKADOKAWA筆頭株主 など|3/29-241〈菊池健(2026年3月29日)〉

デジタル・海外・AI出版ニュースまとめ:2026/3/28〈オーディオブックファンクラブ(2026年3月28日)〉

政治

電子データ関税禁止、日本・EUなどWTO有志国が合意 米は不参加〈日本経済新聞(2026年3月29日)〉

ひとことコメント

インドが反対、アメリカが不参加。そういえば、アメリカってまだWTOから脱退していないんですね。TACOったか。(鷹野)

社会

12作品で“AI不使用”なのに「AI生成」と誤表記 電子書籍配信「クロスフォリオ出版」が経緯明かす〈ITmedia AI+(2026年3月30日)〉

ひとことコメント

公式サイトには即日経過報告が出ていたのに、「返答次第追記」と書いてあった記事には反映されていないことにメルマガで触れたら、昼過ぎに追記されていることが確認できました。たまたまかな?(鷹野)

大学のライティング教育、AI時代の使命は 責任と誇りの主体育てよ〈日本経済新聞(2026年3月30日)〉

経済

マンガ投稿プラットフォーム「コミチ」、9月30日でサービス終了を発表〈MANGA Watch(2026年3月30日)〉

ひとことコメント

あらら、おつかれさまでした。「コミチ+」がうまくいってるから、そっちに集中する感じですね。うまくピボットできた感。(鷹野)

生成AIブームは“情弱ビジネス”で終わるのか? 「大言壮語のSNS」「AIインフルエンサーへの推し活」 たどり着く先は何処か:マスクド・アナライズの「AIしてま~す!」〈ITmedia AI+(2026年3月30日)〉

‘Soon publishers won’t stand a chance’: literary world in struggle to detect AI-written books(「出版社は間もなく生き残れないだろう」:文学界はAIが書いた本の検出に苦戦)〈The Guardian(2026年3月29日)〉

ひとことコメント

Why would it matter whether they were generated by humans or AI? And if AI did become sophisticated enough to write genuinely engaging books, does that matter, as long the literature is good?(それらが人間によって書かれたものか、AIによって書かれたものかは、一体何の問題になるのだろうか? そして、もしAIが本当に魅力的な本を書けるほど高度になったとしても、文学作品の質が良ければ、人間が書いたかAIが書いたかは問題ではないのだろうか?)

終盤、このあたりの問題提起は良いなと思いました。私は「作品の質が良ければ、問題ない」派。でも、

“AI nudges users into a bland monoculture. It could never generate the truly diverse creativity of the human mind,” he said.(「AIはユーザーを単調な単一文化へと誘導する。人間の心が持つ真に多様な創造性を生み出すことは決してできないだろう。」と彼は言った)

「決してできない」なら、AIは脅威にならないのでは? と思ってしまった。まだ未熟な、新進の作家が世に出る機会をAIが奪う可能性への危惧なら理解できるのだけど。(鷹野)

出版業界団体、生成AI使用の指針作成へ 作家との契約書にも明記〈日本経済新聞(2026年3月29日)〉

ひとことコメント

ネット上の情報を学習して出力する生成AIの特性をふまえ、本の原稿が著者とは別の人物の権利を侵害していないことを契約書で保証する。

ちょっと待て。著者の立場で考えたとき、これは最大級に警戒すべき事態だと脳内でアラートが鳴りました。そもそも現状のヒナ型(PDF)でもすでに第15条(内容についての保証) で著者には「本著作物が第三者の著作権、肖像権その他いかなる権利をも侵害しないこと(略)を保証する」ことが求められているのですよ? 生成AIが出てきたからって、このうえなにが追加で必要ですか? 「AIを使っている場合は必ず事前に出版社へその旨を告知すること」みたいな? どこまでが「AIを使った」ことになる? なんかもう「ケガレを避ける」レベルの話になってしまわない? これは一般論ですけど、契約書の文面って条件闘争ですから、少しでも自分たちに有利な形にしようとするせめぎ合いが起きます。もう20年くらい前の話ですが、たった一言の変更を認める・認めないで超大手企業の法務部門と壮絶なバトルを何度かやったことがあります。まあ、これはヒナ型なので、そのまま使わず交渉して内容を修正すればいいのですが、大半がいち個人である著者って組織で対抗できる出版社に比べたら圧倒的に不利なんですよ。いざ契約書締結という段階で毎回「ここは削って」みたいな交渉が発生すると、本ができる前に疲弊しちゃいますぜ。ちょっとだけフォローすると、指針(ガイドライン)は良いと思います。(鷹野)

イベント

日本電子出版協会「生成AIと教育標準でCBTを再構築する ーー試作から見えた開発と制作の変化」講師:加治佐俊一氏〈オンライン/3月31日〉

日本電子出版協会「電子コミックの歴史と、MANGA総研『マンガIP市場調査レポート』から見るマンガ産業の現在地」講師:菊池健氏〈オンライン/4月3日〉

日本電子出版協会「ミサイルから学校デジタル図書館まで」講師:三瓶徹氏〈オンライン/4月14日〉

日本電子出版協会「文字は情報の器ーードラえもん担当編集者の波乱万丈戦記」講師:小林龍生氏〈オンライン/4月20日〉

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新刊について

新刊『ぽっとら Podcast Transcription vol.1 ~ 詐欺広告や不快広告・金融検閲・生成AIと著作権・巨大IT依存問題など、激変する出版界の広範な論点を深掘りしてみた。』を刊行しました。ポッドキャストの書き起こしです。

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