日本の学術出版社はなぜAI企業へのライセンス販売で遅れをとっているのか? など 日刊出版ニュースまとめ 2026.05.24

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Photo by Ryou Takano(+Adobe Firefly 生成塗りつぶし“しっぽを立てて歩いている白猫”)
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 伝統的な取次&書店流通の商業出版から、インターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版関連ニュースをデイリーでまとめて配信。ボットではありません。AIも使っていません。中の人がすべて自分の目で読んで、手作業でまとめています。2026年度のピックアップログ全件はこちら

【目次】

総合

デジタル・海外・AI出版ニュースまとめ:2026/5/23〈オーディオブックファンクラブ(2026年5月23日)〉

ひとことコメント

内容と関係なくてすみません。Safariでこの記事を見て、恐らくAIによる要約の1段落目がemタグで斜体になっていることに気がつきました。Chromeだと数字だけ斜体なのですね。本文と見分けが付かない。うーん、AI要約ならblockquote(引用)を使うのも変なのかな。要約引用扱いでいいのかも。(鷹野)

政治

津田健次郎さんの「低音ボイス」生成AIで模倣、動画削除求めティックトック提訴…声無断利用で初の訴訟か〈読売新聞(2026年5月23日)〉

津田健次郎さん:「ツダケンの声がする」のコメントも立証材料に…生成AIの「声の権利侵害」訴訟の争点は「類似性」〈読売新聞(2026年5月23日)〉

ひとことコメント

声の肖像権を判例で勝ち取るための裁判だと思われます。政府は現行法で対処可能って言ってますもんね。(鷹野)

コンテンツ予算、倍増の「5年で5千億円」 自民が提言、政府も調整〈朝日新聞(2026年5月22日)〉

「国旗損壊罪」アニメや生成AIによる創作物は対象外…自民PTが法案の骨子案了承〈読売新聞(2026年5月22日)〉

ひとことコメント

これ以外にも「お子様ランチの旗は対象外」みたいな報道もありました。赤松議員・山田議員が創作物には及ばないよう抵抗してくれているようです。(鷹野)

社会

Wikipedia運営財団CEO「法人向け有料データ提供拡大」 1年でPV8%減〈日本経済新聞(2026年5月23日)〉

ひとことコメント

「法人向け有料データ提供(が)拡大(した)」ではなく「法人向け有料データ提供(を)拡大(していきたい)」という意向の話ですね。(鷹野)

新潟市でマンガ・アニメの祭典「がたふぇす」 コスプレパレードも〈日本経済新聞(2026年5月22日)〉

シンガー・ソングライターも、ノンフィクション作家も…中国に現れる新たな「村上春樹チルドレン」〈読売新聞(2026年5月22日)〉

今、日本の小説を海外が求めている。 “波”を感じ文庫レーベル創刊に助走ゼロで走り始めた編集者たちが語る、新規参入プロジェクトの1年 【座談会】〈ダ・ヴィンチWeb(2026年5月22日)〉

経済

メタの過激な「AI全振り」 8000人解雇、PC操作監視に1500人抗議〈日本経済新聞(2026年5月23日)〉

欧米の学術出版社で「AI企業へのライセンス販売」が新たな収益源に…日本が大きく後れをとる理由(飯田 一史)〈マネー現代 | 講談社(2026年5月23日)〉

ひとことコメント

おお、うちも5月16日のメルマガ増刊号で取り上げたネタです。タイミングが被った。Wileyの決算、インパクトありますもんね。ただ、ちょっと気になったのが「学習(トレーニング)からRAG(検索拡張生成)へ」という流れを紹介したあとに、日本の著作権法30条の4(非享受目的)だけを取り上げている点。RAGでの利用は参照(reference)なので同法47条の5(軽微利用)になるはず。そしていずれにしても「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」は権利制限の対象外なので、ウェブに無料公開されているわけではない記事や論文の利用は許諾が要ると思いますけどね。つまりライセンス商売は日本の現行法の範囲で可能ではないかと。じゃあなぜ日本の学術出版社は遅れをとっているのか? という話は、恐らく5月30日開催の日本出版学会 春季研究発表会 ワークショップ「出版教育研究部会 デジタル時代における学術出版エコシステムの再構築――専門書出版社・図書館・AI時代の知の循環モデルを問い直す」で明らかにされるのではないかと思います。楽しみにしています。(鷹野)

新潮社、「週刊新潮」「人文系新書」などパッケージ化した独自サブスクを開始 自社プラットフォーム化の狙いとは〈AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議(2026年5月22日)〉

FBReader Launches Readino ebook store in the United States(エフビーリーダーが米国で電子書籍ストア「リーディノ」を開設)〈Good e-Reader(2026年5月21日)〉

ひとことコメント

Readium LCPを採用しているそうです。日本でもそういう電子書店or電子図書館が出てくるといいなあ。(鷹野)

技術

自民党が「AIに認識されやすい」発信着手 PDF→全文テキストなど〈日本経済新聞(2026年5月23日)〉

グーグルが描く華やかなAI社会は「ディストピア」だ–少なくとも普通に生活する大多数にとっては〈CNET Japan(2026年5月22日)〉

ひとことコメント

ひがみが強いなあ。思わず著者名を確認しちゃいましたが、以前のひがみ記事とは別の人でした。(鷹野)

グーグル公式「生成AI最適化」ドキュメント登場 ―― 生成AI検索にSEOはまだ有効か?【SEOまとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ〈Web担当者Forum(2026年5月22日)〉

ひとことコメント

AI検索経由ユーザーはオーガニック検索経由よりコンバージョン率が約50%高い(Shopify調べ)

おお! Googleが以前「検索における AI : クエリ数が増加し クリックの質が向上」と主張していましたが、ECプラットフォーム側からそういうデータが出てきたのは大きい。仮にアクセスが3分の2になっても、コンバージョン率が1.5倍なら問題ないわけです。無料配信広告モデルのメディアにはあんまり関係ない話かもしれませんが。(鷹野)

「とらのあな」電子書籍サービスに“不正な自動アクセス” 一部サービスを停止中〈ITmedia NEWS(2026年5月22日)〉

イベント

飯田橋ブックフリマ実行委員会「飯田橋ブックフリマ」〈東京都千代田区/5月22日・23日〉

JPO 一般社団法人日本出版インフラセンター「令和8年度 特定書籍等の製作に係る書籍の電子データ提供に関する実証事業」出版社向け説明会〈東京都千代田区(出版クラブホール)+オンライン/5月22日〉

日本電子出版協会「国立国会図書館ビジョン2026-2030―共につくる知の循環」講師:館長 倉田敬子氏〈オンライン/5月27日〉

総務省「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会 デジタル広告ワーキンググループ(第16回)」〈オンライン/5月27日〉

日中国際アニメ映画祭・日本電子出版協会共催「アニメ・カンファレンスin 所沢」CODAの海賊版対策と動画生成AI問題について / ショートアニメの可能性 など〈オンライン/5月29日〉

日本出版学会「2026年度 総会・春季研究発表会」〈東京都新宿区(目白大学)/5月30日〉

ひとことコメント

11:00「日本における電子書籍化の現状(2025年版)――国内書籍カタログデータベースの電子化率調査」鷹野凌(NPO法人HON.jp)/共同研究者:山本幸太郎、大井賢、堀正岳

個人研究発表やります!(鷹野)

学校図書館整備推進会議 図書館改革プロジェクト「学校図書館図書整備等5か年計画の継続・発展に向けて」〈東京都千代田区(城西国際大学紀尾井町キャンパス)/6月4日〉

日本電子出版協会「AI時代のビジネス・企業・組織・人材育成ーー『学び』のAIトランスフォーメーションについて」講師:岸田徹氏〈オンライン/6月9日〉

日本出版学会 学術出版研究部会「大学教科書とデジタル教材」柴田守氏、猪石有希氏(有斐閣)〈専修大学神田キャンパス/6月26日〉

お知らせ

新刊『出版とフリー 〈無料〉との競争の果てに起きたこと』について

クリス・アンダーソンの名著『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(2009年・NHK出版)を再読し、日本の出版状況に合わせて考察した10年前の連載コラムが本になりました。最終章は書きおろしの「生成AIとフリー」です。

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