Anthropicがフェアユース認定された書籍大量破壊スキャンが改めて話題になど 日刊出版ニュースまとめ 2026.02.03

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 伝統的な取次&書店流通の商業出版から、インターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版関連ニュースをデイリーでまとめて配信。ボットではありません。編集部の中の人がすべて自分の目で読んで、手作業でまとめています。2026年度のピックアップログ全件はこちら

【目次】

総合

「2026年出版展望」「Meta詐欺広告問題をスローニュースが追求」「文化庁著作権普及啓発プロジェクト」など、週刊出版ニュースまとめ&コラム #700(2026年1月25日~1月31日)〈HON.jp News Blog(2026年2月2日)〉

米Forbesの新サービスはニュース体験は変わるか? Publidia #243〈Publidia(2026年2月2日)〉

【北米エンタメニュース】「オタコン、ディーラースペースで二次創作作品の販売を禁止」「2025年出版の中国BL振り返り」「SF作家、コミコンが生成AIに別れ」「Crunchyroll、アニメアワードを5月に東京で開催」〈libro(2026年2月2日)〉

【マンガ業界Newsまとめ】2025年電子コミック市場5273億円(昨対2.9%)、世界最大級海賊版サイト停止と実害10.4兆円 など|2/1-233〈菊池健(2026年2月1日)〉

デジタル・海外・AI出版ニュースまとめ:2026/1/31〈オーディオブックファンクラブ(2026年1月31日)〉

政治

あなたの紙の書籍は既にコピペされていた―Anthropic和解の裁判記録から判った村上春樹、川上未映子、小川洋子、茂木健一郎…日本人作家も入っていた〈Jun Ikematsu / 池松潤(2026年1月31日)〉

Anthropic’s ‘secret plan’ to ‘destructively scan all the books in the world’ revealed by unredacted files(アントロピックの「世界中のすべての本を破壊的にスキャンする」という「秘密計画」が未編集ファイルで明らかに)〈The Bookseller(2026年1月29日)〉

ひとことコメント

本件、Washington Postによる1月28日の報道時点で「出版業界ニュースまとめ」の古幡瑞穂氏からサポートメンバー限定の(おまけ)が届いていたので私も概要は把握していたのですが、正直、既報の内容と大筋では変わらないよな……? という印象でした。Washington Postはハードペイウォール過ぎて本文は読めていないのですが、概要を報じているThe Booksellerのほうは、無料登録で全文読めます(月3本まで)。私は昨年、Anthropicとの和解案が明らかになったときや、WIREDが「大量の書籍を破壊した」と情緒に訴える問題提起をしたときや、和解案を拒んで独自に提訴する方が現れたとき、あとは、下半期の出版ニュース振り返り番組でも重要なトピックスのひとつとして取り上げてますが、残念ながら反響はなかったのですよね……異議申し立ての期限は年明け1月15日だったんですが、その期限が過ぎてから騒ぎになっている、という印象です。目新しい情報としては“Project Panama”というプロジェクト名称が出てきたくらいでしょうか。「日本の本も含まれていた!」というのは、そりゃ700万点もあれば含まれていてもおかしくないでしょう。私は、学習用データに用いられていたことより「Anthropicの社内サーバー(中央ライブラリ:Central Libraryと呼ばれている)にスキャンデータが保管され『学習目的以外にも使う』ことが企図されていた」ことのほうが格段にヤバイと思っています。つまり、検索拡張生成(RAG:Retrieval-Augmented Generation)に使おうとしていた――あるいは、すでに使っていたのかも? 実はこれ、はっきりしていないんですよね。RAGの材料に使っていたなら、本の要約が正確に出力できても不思議じゃないわけです。(鷹野)

第11回 エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会〈経済産業省(2026年1月30日)〉

社会

セルシス、出版文化産業振興財団が実施する小中学校のマンガ体験授業に協力〈ICT教育ニュース(2026年2月2日)〉

本の生産者が手売りする場を作ろう! 「独立出版者エキスポ」の挑戦〈朝日新聞(2026年2月2日)〉

AI学習目的の海賊版収集・利用は著作権法違反になるか? 日本弁理士会が示した見解は〈ITmedia AI+(2026年2月2日)〉

ひとことコメント

そうそう、この文化庁の見解って、海賊版であることを知りながら学習用データに用いることは「厳にこれを慎むべきものである」と言いつつも、違法であると断定はしてないのですよね。うまーく断定を避けている印象。でもまあ確かに、30条の4「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」に該当しそうな気はします。(鷹野)

音声コンテンツのテキスト化が加速 ── ログミーBusinessが武田砂鉄『ラジマガコラム』の書き起こしを開始〈Media Innovation(2026年2月2日)〉

ひとことコメント

おー! ウチも「ぽっとら」という名称でポッドキャストの文字起こし(Podcast Transcription)をやっています。こういう動き、広がるかな?(鷹野)

【1996年のINTERNET Watch】知っていますか「ブラウザー戦争」に「テレホーダイ」、普及初期の激動を報じた創刊年 1995年、日本のインターネット利用率は約1%〈INTERNET Watch(2026年2月2日)〉

人は買いたい本があるから書店に行っているわけではなかった ―「リアル書店に行った理由」アンケートから見えたこと〈田中裕士(2026年2月2日)〉

「検索」から「探索」、そして「散策」へ 『岩波Web目録』が提示するデジタルと書籍の「幸せなマッチング」〈SlowNews | スローニュース(2026年2月1日)〉

「猛省してほしい」「余韻が台無し」…人気漫画『メダリスト』14巻の「おまけ」に読者が落胆したワケ | Lifestyle Analysis〈ダイヤモンド・オンライン(2026年1月31日)〉

小さな物語が増殖する国 ― ベトナムのマンガ文化はどこへ向かうのか|ベトナムと日本人|World Voice〈ニューズウィーク日本版(2026年1月31日)〉

創刊から半世紀以上「月刊自家用車」編集長・田中哲也に聞く、専門雑誌の役割と自動車カルチャーの現在地〈Real Sound|リアルサウンド ブック(2026年1月31日)〉

経済

AIゴリ押し戦略が招いた代償 Windows 11変革期におけるMicrosoftの苦悩:Windowsフロントライン〈ITmedia PC USER(2026年2月2日)〉

JEPAとデジタル辞書 ディジタルアシスト 永田健児|キーパソン・メッセージ〈日本電子出版協会(2026年2月2日)〉

「ひとり出版社」、出版不況でも急増のワケ ベストセラーも続々〈日本経済新聞(2026年2月2日)〉

紀伊国屋書店に夜明けまで…チケット完売 朝まで「あっという間」〈朝日新聞(2026年2月1日)〉

メタのメディア提携とNYタイムズのAI訴訟、鮮明になる「協調」と「対立」の構図(小久保重信) – エキスパート〈Yahoo!ニュース(2026年2月1日)〉

マガジンハウスが創立80周年を機に掲げた「IP×グローバル」という戦略(篠田博之) – エキスパート〈Yahoo!ニュース(2026年1月31日)〉

『成瀬~』が大ヒット!新潮社の大幅組織改編と出版戦略(創)〈Yahoo!ニュース(2026年1月31日)〉

『大ピンチずかん』が大ヒット!児童書に圧倒的な強さを誇る小学館の出版事情(篠田博之) – エキスパート〈Yahoo!ニュース(2026年1月31日)〉

技術

日本のステーブルコイン、3メガバンク相乗りで始動 ドル覇権に一石〈日本経済新聞(2026年2月2日)〉

AIだけが住むSNS「Moltbook」が140万エージェント突破―奇妙な会話に戦々恐々?【Media Innovation Weekly】2/2号〈Media Innovation(2026年2月2日)〉

医学論文、13.5%にAIの痕跡 「乱造」で増す誤情報リスクと査読負担〈日本経済新聞(2026年2月1日)〉

イベント

文部科学省「『2030デジタル・ライブラリー』推進に関する検討会(第12回)」〈オンライン/2月5日〉

電子出版制作・流通協議会「電流協オープンセミナー 2026年の電子出版ビジネス展望」講師:堀鉄彦氏(株式会社コンテンツジャパン代表取締役)〈東京都千代田区(JCIIビル6F)+オンライン/2月9日〉

文化庁(映像産業振興機構)「フランス・スペイン図書館マンガ調査結果発表セミナー」〈東京都千代田区(日本出版クラブ 4F 会議室)+オンライン/2月10日〉

日本電子出版協会「『データベース』と付き合って考えたこと」講師:松田真美氏〈オンライン/2月10日〉

相模女子大学「漫画・アニメの「型」はどこから来た? 古典文学に学ぶ日本の創作文化」講師:山田純(相模女子大学 日本学国際研究所 所長)〈神奈川県相模原市南区(オーサーズカフェ)/2月14日〉

青山ブックセンター本店「インディ小説家たちの文芸トーク&ブックフェス『創作と制作のあいだで』」登壇者:江藤健太郎、笠井康平、杉森仁香、友田とん、山本浩貴、司会進行:仲俣暁生〈東京都渋谷区(コスモス青山ガーデンフロア B2F)/2月15日〉

文化庁「国際シンポジウム『メディア芸術ナショナルセンター(仮称)への期待~アニメーションのアーカイブにおける意義と役割』」登壇者:庵野秀明氏ほか〈東京都港区(赤坂インターシティコンファレンス)/2月15日〉

日本電子出版協会「オンライン電子書籍市場の変遷」講師:天谷幹夫氏(パピレス)〈オンライン/2月17日〉

日本電子出版協会「新しい創作エコシステム、noteの歩みとこれから」講師:加藤貞顕氏〈オンライン/2月25日〉

丸善ジュンク堂書店「『読めない』『読みつづけられない』にはワケがある ーーみんなでつくる〈読書バリアフリー〉」登壇者:サヘル・ローズ氏、杉田淳氏、成松一郎氏〈東京都豊島区(ジュンク堂書店池袋本店)+オンライン/3月4日〉

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新刊について

新刊『ぽっとら Podcast Transcription vol.1 ~ 詐欺広告や不快広告・金融検閲・生成AIと著作権・巨大IT依存問題など、激変する出版界の広範な論点を深掘りしてみた。』を刊行しました。ポッドキャストの書き起こしです。

ポッドキャストについて

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