【EPUB有料連載リンク】第26回 電子書籍−普及にさらに弾み– ジェリー・パーネル/訳・林田陽子「新・混沌の館にて」

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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、昨年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。

 業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

電子書籍−普及にさらに弾み

 電子書籍の販売が増え続けている一方で、従来の出版業は変革に取り組んでいる。出版社の中にはそれに加わろうとするところが出てくるだろう。破産する出版社もあるだろう。

 私は今も印刷版の本を買っている。しかし、最近、購入するのはほとんど電子書籍になっていることに気づいた。さらに、私は自分が古典を多く読むようになったことに気づいた。中には、すでに自分の蔵書にある古典もある。理由は、何千冊もある自分の蔵書の中から何年も見かけていない本を探すより、よい電子書籍リーダーで読む方が簡単だからだ。

 私は、iPadで適切な電子書籍閲覧アプリケーションを使ってほとんどの電子書籍を読む。しかし、私はiPadを読書以外のことに使うことの方が多い。私の妻はKindleが気に入っている。私の友人の中には、他の電子書籍閲覧プラットフォームを好む人もいる。一方、私は「本物のタブレット」を待ち望んでいる。それは、我々が1974年に「神の目の小さな塵」という小説で描いたポケット・コンピューターとして機能するものだ。タブレットは続々と登場している。先日ある記事にこう書かれていた。

 「今後6ヶ月の間に、iOS、Android、WebOS、Playbookの4種の競合するタブレットが存在するようになる。しかし、Microsoft(マイクロソフト)製は一つもない」。
 
 その通りだ。しかし、私はMicrosoftを除外するつもりはない。Gates(ゲイツ)はMicrosoftにいた頃、タブレットの大ファンだった。今は彼が同社を経営しているわけではないので、同社内のタブレット愛好家の勢力とリソースの使用権は低下している。しかし、愛好家がいなくなったわけではないし、Ballmer(バルマー)はあなたや私同様、出版界のトレンドをきちんと読める。かつて、多くの人々がMicrosoftの対抗者に賭けて無一文になった。また、Microsoftは、トレンドが熟すまで待って、誰か他人が道を切り開いた後に、「包含して拡大する」決定を下すという長い歴史を持っている。Microsoftは、歴史的に見て、業界の標準を決めたがる。

 一つ明白なトレンドがある。つまり、電子書籍リーダーはどんどん安くなっている。このトレンドが続けば、今年後半には値段がゼロに到達する。もちろん、ゼロにはならないだろうが、1台の電子書籍リーダーに数多くの本とさまざまな出版物の購読権がセットされているパッケージがすでにある。こういったものがこれからさらに増えるだろう。リーダーは無料にならなくても、リーダーのコストが見えない形でパッケージに含まれるようになるかもしれない。

【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/

電子書籍の販促

 翻訳書の場合、私は翻訳をするだけで販促には全く関与しませんでした。発売直後に大きな書店に行くと、平積みのスペースを2冊分確保して、装丁とお揃いのデザインのパネルが設置されていたりしました。新聞に大きな広告が掲載されたこともありました。

 雑誌や新聞の書評用に献本もされていたようです。掲載されると連絡がありました。全国紙の書評欄に掲載された本は売れ行きも良かったように思います。

 こういったことはすべて出版社の編集・販売担当者がしてくださっていました。もちろん、コストがかかります。

 個人で電子書籍を販売するようになって、一番困っているのが販促です。IT系のサイトに広告を出すようなことは費用がかかりすぎてできません。

 これまでに数回、このコラムのことがIT系のサイトに取り上げられて記事になったり、リリースが掲載されたり、コラムの書評が掲載されたりしましたが、その直後は一時的に購読申し込みが増えました。認知されれば、一直線にサイトに来て、購入するというパターンです。

 アプリなどの場合、知人などに頼んで同じ時期に集中的に購入してもらって、売上ランクを上げ、人目に触れるようにするという方法があるそうです。

 購読者のうちで割合の多いコンピューター技術者や出版関連の人が大勢いるところを探して何かの販促をするのが有効かも知れません。

 もう少しすれば、販促を含めて、個人で電子書籍を売るさまざまな方法が考案されるようになるだろうと期待しています。n

問合せ先:「新・混沌の館にて」サイト http://www.sciencereadings.com/

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