ケータイ読書のススメ 第三回

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ダウンロード読書 ―― ケータイの上の本屋さん

 前回はケータイ読書ならではの配信型読書サイトを紹介したが、今回は電子書籍ではオーソドックスなダウンロード型サイトを紹介する。

 ダウロード型のサイトはいわばケータイの上の本屋さんのようなものだ。書店に置いてある本から自分の好きなものを選び、ケータイにダウロードして読む。前回の配信型はお勧め本をアレンジして提供してくれる「おまかせサービス」だが、自分の読みたい本を多くの本の中から探し出したいなら本を直接選べるダウロード型が向いている。

 品揃えという点ではPC上のダウロード書店にはまだ負けているが、すでに数1000のラインナップを持つ店もあり、今後もどんどん良くなっていくだろう。

 今回はダウンロード型のサイトの中から特色ある3つのサイトをピックアップして紹介する。

ダウンロード書店の仕組み

購入代金の支払い

 好きな本を選んで購入するのだからダウンロード書店では「固定会費なし・一冊単位の購入」が原則だ。でもキャリアによっては少額課金や従量制の課金がまだ整備されていない。そのため月単位の会費でポイントを購入しそのポイント範囲で書籍を購入するシステムのサイトもある。その場合はポイントが持ち越しできるかどうかなどもチェックポイントだろう。課金にインターネットと同じようにクレジットカードや Web Money などのネットマネーを利用する店もある。

再ダウンロード・サービス

 PCでのダウンロード書店ならダウンロードした本のファイルは自分のハードディスク上に保存する。普通のハードディスクに読みきれないほどの本が保存できる。

 しかしケータイではそうはいかない。ケータイの少ないメモリでは数冊程度の保存がせいぜいだ。そこで登場するのが再ダウンロードのサービス。一度購入した本については無料で再度ダウンロードすることができるというものだ。

 いわば書店が自分の購入した本を保管もしてくれると考えればよい。ケータイという狭い住宅事情が生んだ新しいサービスといえる。

 このサービスの有無や期間もチェック項目。ただし解約や電話番号などが変更になった場合はこの履歴は失われるので注意が必要だ。個人的にはケータイ読書は所有する「蔵書」感覚より、読むという「体験」感覚だと思っている。それでもどうしても自分のものにしたいなら紙の本もあるし、PCでファイルをゲットすることもできる。

携帯パピレス ―― オーソドックスなダウンロード書店

 電子書店パピレス(http://www.papy.co.jp/)はパソコン通信時代から電子書籍を扱ってきた電子書店の老舗だ。そのパピレスのケータイ版が「携帯パピレス」。老舗だけあってオーソドックスで充実したダウンロード書店となっている。

会費や料金

 月の固定会費は無料で。本の価格は1冊あたり100円から900円台まで、平均価格は400円(2004年10月初旬現在)。

 購入代金の決済はauやvodafoneでは公式サイトなので代金は電話利用料金と一緒に請求される。iモードでは残念ながら公式サイトになっていないため、クレジットカード払いか Web Money による支払いになる。

品揃え

 品揃えも10月始め現在で1400冊余り。それ以外に古典を中心とした無料名作1000などのサービスメニューもあり、ケータイ読書サイトでは最大の規模だ。種類も小説から実用・ビジネス、写真集まで揃っている。(アダルトもありますよ…)

本を探す

 本毎に解説が詳しく載っているほか、全部の本に立ち読みページ(無料サンプル)が提供されている。やはり本は店頭で立ち読みしてから買いたいものだ。
 好きな本を選択するには分野別のメニューをたどる方法のほか、キーワードを入力して検索もできる。本のタイトルや著者名のほか解説文からも検索可能のようだ。

ビュア

 購入した本は「よむよむ@パピレス」というアプリに格納される。読書はこのアプリで行うことになる。「よむよむ@パピレス」は文字の大中小切り換え、縦書き横書き切り換え、ふりがな有無などが可能だ。
 「よむよむ@パピレス」には4分冊の本の入れ物(書庫)が用意されていて、サイトから本をダウンロードするときにそのどれかを指定する。もしそこにすでにダウンロードした書籍があるとそのデータは上書きされる。つまり一度に4冊分しか本は利用できないということだ。

無料再ダウンロード

 なお購入本の無料再ダウンロードは90日間可能になっている。再ダウンロードはビュアの購入履歴からも可能だし、サイトの購入履歴からも可能だ。誤って上書きした時や再度読みたいという場合に助かる機能だ。

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サイトで本をダウンロードすると「よむよむ@パピレス」が立ち上がり書庫1~4を選択する画面になる

Space Townブックス ―― ケータイ読書向けの工夫がうれしい

 電子書籍に力を入れるシャープのサイト。フォーマットはPCのダウンロード書籍で定評のあるXMDFをケータイ用にコンパクトにしたものだ。インターネットのダウロード書店「Sharp Space Town(http://www.spacetown.ne.jp/)」のケータイ版だ。

 このサイトではケータイ読書に向けていろいろな工夫を凝らしてあるのがうれしい。その辺りを中心に紹介しよう。(同サービスのAU向けサイトに基づき説明)

会費や料金システム

 ここも月の固定会費は無料で購入した書籍の代金だけを支払う。ダウンロード書店はこうじゃなくっちゃ!

品揃え

 10月初旬現在731タイトル。文芸から実用まで幅広く揃えている。コミック・写真集なども注目される。

本を探す

 書名・著者名とジャンルで本の検索が可能。本の名前や著者の名前を指定しなくてもジャンルだけ指定して検索結果リストから本を選べる。

チェックリスト機能

 本を探しているといろいろ目移りがするもの。気になる本、後日読んでおきたい本などを発見したら、すぐにチェックを入れておこう。後で再び探し出すのは骨だし、これから何を読もうかという楽しみ画面にもなる。

My書棚

 「My書棚」はサイト上にあるあなたの本棚だ。ケータイ読書の欠点はメモリがいっぱいになれば削除しなければならないこと。そんな欠点を「My書棚」が補ってくれる。購入した本は翌日サイト上の「My書棚」に自動的に登録される。そしてMy書棚に登録された本はいつでも無料で再ダウンロード可能なのだ。もちろん会員を止めればあなたの「My書棚」もなくなるのだが、会費が無料なら止める必要も生じないだろう。

ビュア

 ビュアは「電子ブックビュア」。しおり機能、文字サイズ、太字、縦横、ルビ表示が制御できる。なお本が分割されてダウンロードされると最後に続きのリンクが現れ、そこから直接続きをダウンロードできる。これは便利だ。

その他

 ポイントサービスもある。本の購入額に応じて(現在は2%)ポイントが溜まる。1ポイント1円で本の代金として使用できるが全額をポイントで支払うことが条件。

 新刊案内などのメールは定番だが、Space Town ブックスでは著者を指定して新刊情報を送ってもらうことができる。好きな著者を指定すれば効率よく本探しができるだろう。

他のキャリアのSpace Townブック

 同じシャープが提供しているケータイ読書サイトでもキャリアが異なるとシステムが異なっているので注意が必要だ。

 NTT DoCoMoでシャープが提供している「ケータイ読書館」はダウンロード型だが月の固定会費が必要だ。

 会員登録すると月に315円の会費で200ポイントがもらえ、そのポイントの範囲内で本が購入できる仕組み。ポイントは繰り越せるので読まなかった月があっても安心だが、ポイント不足の場合に追加購入はできず翌月を待つしかない。

 本はダウンロード1回分が10ポイント程度で、1冊は長さにより数回から数十回までさまざま。月200ポイントが少し足りないと思うか、読みごたえがあると思うかは人によるだろう。

(注:同じSpace Townブックでも Vodafone版は配信型のサービスなので注意)

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本を探しながら気になった本をチェックしておくとこの画面に一覧される
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すでに購入した本は自動的にこの書棚にならぶ。再ダウンロードはここから行う。

どこでも読書 ―― 固定会費制と単品ダウンロードを併用

 インターネットでダウロード書店「PDAブック(http://pdabook.jp/pdabook/)」を運営するミュージック・シーオー・ジェイピーが提供するケータイ読書サイト。固定会費制と単品ダウンロード型を混在させたユニークなシステムになっている。

 品揃えも幅広く、本の検索も「フリーキーワード」「ジャンル」「著者名」「作品名」と多くの手段に対応しているのもよい。各書籍には「お試し版」もついている。

AUの「どこでも読書」

 「どこでも読書」のAU版は会員登録制と単品毎に購入する仕組みを併用したサイトになっている。

 サイトには[会]マークがついた本と[金袋]マークがついた本がある。月315円の会員登録をすると[会]マークの本が読み放題となる。それに対して[金袋]マークのものは会員登録しなくても1冊づつ購入することができる。[金袋]マークの本については会員であっても1冊づつ別途購入しなければいけない。[会]マークと[金袋]マークが両方ついた本は会員なら読み放題、会員でなくても購入可能ということになる。

 言葉で説明すると少々複雑なシステムだが、固定会費制の割安メリットと会員にはならないけど単品毎では購入したいというユーザー両方に対応したサイトだといえる。また書籍の性質によっては固定会費制には出さないという場合も考えられるので商品のラインナップ充実にも役立っているだろう。

各マークと会員・非会員の関係
マーク 会員 非会員
[会]マーク 読み放題 ×
[金袋]マーク 別途購入 購入可
[会]マークと[金袋]マーク 読み放題 購入可

 なお[会]は14日間の講読期間が設定されている。14日を過ぎるといったん本を削除してから再ダウンロードしなければならない。ただし無料だ。[金袋マーク]の本は購入履歴から無料で再ダウンロードが可能となっている。

DoCoMoの「どこでも読書」

 NTT DoCoMo版の「どこでも読書」は固定会費制のみだ。月315円で300コインの権利ができる。コインで好きな本をダウンロード可能。もし全部使用できない場合でも1000コインを上限として持ち越しもできる。

 またDoCoMoサイトでは「プレミアム連載コース」という配信型のサービスも行っており。こちらは月に50コインから200コインまでが必要となる。

 購入した本は何度でも再ダウンロードが可能なのはAU版と同じだ。

(※注:ミュージック・シーオー・ジェイピーがAUで展開するもう一つのケータイ読書サイト「快読!ケータイBookクラブ」は配信型のサービスだ。

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本のタイトルの頭についているのが[会]マークと[金袋]マーク。

【VodafoneのSpace Town ブック】

 VodafoneのSpace Town ブックはジャンル毎に会員になり、配信される本が読み放題の配信サービスだ。会費はジャンルにより月210〜315円。一度購入した書籍は「購入履歴」から無料で再ダウンロードできる点は単なる配信とも異なる。ただしジャンルの会員登録を止めるとそのジャンルの履歴は失われるので注意が必要だ。

【快読!ケータイBookクラブ】

 ミュージック・シーオー・ジェイピーがAUで展開するもう一つのケータイ読書サイト「快読!ケータイBookクラブ」は配信型のサービス。月額315円の会費で30コインがもらえ、コインでジャンル別のコースを購入すると、そのコース内の本が読み放題となる。コースは5、10、15、20コインのものがある。コインの持ち越しはなし。

【Web Money】

 Web Money(http://www.webmoney.jp/)はプリペイド方式のネットマネーで、いろいろなオンライン・サービスで採用されている。一度登録すればWeb Moneyに対応したサービスなら再度の申し込み不要。クレジットカードの番号入力などの手間いらずというのも魅力だ。Web Moneyはコンピニなど店頭で購入できるほかオンラインでクレジットカード決済で購入も可能だ。

【紹介サイトへの行き方】

携帯パピレス(http://www.papy.co.jp/act/static/mobile/body.htm

iモード(DoCoMo)

「internet」で http://i.papy.co.jp/ へアクセス

Vordafone live!(Vordafone)

メニューリスト→TV・ラジオ・雑誌→出版・雑誌→電子書籍→電子書店パピレス

EZweb(AU)

トップメニュー→ホビー&カルチャー→TV・メディア→マガジン→→電子書店パピレス

SpaceTownブックス(http://www.spacetown.ne.jp/prod/ez/index.htm#stbooks
EZweb(AU)

トップメニュー→ホビー&カルチャー→TV・メディア→マガジン→SpaceTownブックス

ケータイ読書館(http://www.spacetown.ne.jp/prod/imode/books.html
iモード(DoCoMo)

メニューリスト→TV/ラジオ/雑誌/小説→小説→ケータイ読書館

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