オランダの印刷所が倒産申請

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 オランダの印刷所(Roto Smeets Deventer、Roto Smeets Weert、Senefelder Missetなど)を傘下に持つサークル・メディア・グループが、倒産申請を発表した。2018年に紙のコストが15〜20%高騰したにも関わらず、注文はその倍ぐらい減少し、昨年後半から事業が立ちいかなくなったと報告している。

 サークル・メディア・グループはアムステルダムに本社を置くヨーロッパ有数の印刷・メディアサービス企業で、同社全体で約1000人の従業員がいる。だが、オランダでは解雇に関する労働法が改定され(解雇手当が約3倍になり、分割払いができず一括前払いで支払わなくてはならなくなった、など)、従業員に納得してもらえるリストラクチャリング(事業再構築)もできず、今回の措置となったとのこと。倒産申告後は、新しい倒産法に則って事業の縮小を最小限に抑えたいという。

 同じサークル・メディア傘下のマーケティング会社や、ベルギーのCorello Printing、その他オーストリア、ドイツ、スペイン、ハンガリーにある印刷会社には影響はないという。

参考リンク

サークル・メディア・グループのリリース

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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