ノーベル文学賞受賞のV・S・ナイポール死去

 大英帝国の崩壊にともない祖国を追われ内紛に至る人々を小説とノンフィクションの作品に書き綴り、2001年にノーベル文学賞を受賞したVidiadhar Surajprasad Naipaul(V・S・ナイポール)が8月11日に85歳で亡くなった、と各マスコミが報じた。

 ナイポールはトリニダド生まれのインド系イギリス人として、英オックスフォード大で学び、1990年にナイト爵を賜り、生涯をイギリスで過ごすかたわら、一貫して小説やノンフィクション、さらにはコミックで、植民地時代後の第三世界における支配者と移民の文化を描き続けた。

 代表作『ビスワス氏の家』、『自由の国で』(1971年ブッカー賞)、『イスラム紀行』など。

 訃報を受けてサルマン・ラシュディはツイッターでこうつぶやいている。「政治について、文学について、我々はいつも意見を異にしてきたが、今はまるで敬愛する兄を失ったように悲しい。ヴィディアよどうか安らかに」

参考リンク

BBCの記事
https://www.bbc.com/news/uk-45159149
テレグラフ紙の記事
https://www.telegraph.co.uk/books/news/nobel-prize-winning-author-vs-naipaul-dies-age-85/
ニューヨークタイムズの記事
https://www.nytimes.com/2018/08/11/obituaries/vs-naipaul-dead-author-nobel-prize.html

投稿者: 大原ケイ

NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。