【EPUB有料連載リンク】第17回 Chrome OSがやって来る — ジェリー・パーネル/訳・林田陽子「新・混沌の館にて」

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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、昨年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。

 業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

12月コラムから

Chrome OSがやって来る

GoogleのChrome OSのアルファ・テスト版が登場した。詳細に興味があれば、「Googleがクラウドに参入」というWall Street Journal(ウォールストリート・ジャーナル)の記事を読んで欲しい。新しいGoogle Chrome OSはWindowsやAppleのOSと張り合おうとしている。Linuxとも競合するが、Linux市場はGoogleのChrome OSへの投資を正当化するほどは大きくない。一番重要なのは、Chrome OSが「ネット・コンピューティング」つまり、NCだということだ。これは昔もあったが、今回はある種の復活だ。現在計画されているChrome OSでは、ネットに接続されていないとコンピューターはあまり役に立たない。しかし、ネットに接続されていれば非常に強力だ。まずこういうアイデアを理解して欲しい。

実用化されたChrome OSシステムが登場する時は、ネットに接続していないときもある程度の仕事ができて、重要なデータにアクセスできるようになるという推測もある。ハードドライブやサムドライブに、データを自動的にバックアップする簡単な機能が登場すると推測する人もいる。現時点では、大量のデータをすべてクラウドに預けなければならない。もちろん、セキュリティの問題が浮上する。Googleは、常に声を大にして、自分たちはその問題に取り組んでいると言っている。

【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/

電子書籍のレベニュー・シェア

8月に入って、ある電子書籍書店がオープンしたというリリースを見ました。サイトを見てみると人気のある新書本などが販売されていました。販売する書籍を募集しているということだったので、コラムのEPUBファイルを添付して、個人でも委託できるか尋ねるメールを出しました。

個人での委託は可能で、価格は出版社/著作者が決め、売り上げは双方50%ずつのレベニュー・シェアというモデルでした。

その電子書籍書店は、PC利用のクラウド方式での閲覧で、独自のシステムとビューワーを開発していました。私のEPUBをそのまま使うことはできず、ビューワーで表示できるよう、制作しなおさなければならないということでした。製作費は出版社/著作者の負担で、費用はEPUBの製作費とほぼ同じで、数万円ぐらいになるということでした。

とても毎月数万円の製作費を取り戻せるほど売れるとは思えなかったので、委託をあきらめようとしたのですが、先方が普通の本に比べて量も少ないので、試しに制作して販売してみましょうと申し出てくださいました。

電子書籍書店の具体的なコスト計算を知るのは初めてでしたが、電子書店側の50%の内訳はかなり厳しく、サーバーなどのシステム維持費や諸経費、クレジットカードの決済手数料などを差し引いていくと、1点あたりの利益は数%のようでした。中でもフォントの使用料が半分以上を占めているとのことでした。私は製作費が無料ならば、書店側のシェアを70%にしてもらうよう提案したのですが、結局、書店側60%、私の方は40%とし、私の方からパーネル氏に10%の版権料を支払うという契約になりました。

フォントの費用を聞いてしまったからというわけではないのですが、こちらのビューワーは大変美しい、見やすい表示でした。もちろん、拡大・縮小、しおりなどビューワーとしての機能はほぼすべて備わっていました。iPadを文庫本とすると、昔の豪華装丁本のようだと思いました。持ち歩きながら読みたい本もあるでしょうが、自宅などでゆっくり座って少しずつ読み進めたいような、長い本には適した表示だと思います。本によって、それぞれに適したいろいろなデバイス、いろいろなビューワーで読めるようになっていくのかもしれないと、この時思いました。

後になって全く偶然に知ったのですが、このビューワーはあるWeb製作者が作ったものだということでした。

結局、あまり売れ行きがよくなく、無料で制作していただくのは心苦しいので、委託は中止してしまいました。販売されている他の本とこのコラムの傾向が違いすぎて、客層の興味に合わないということもあったと思います。

EPUBファイルの製作費を計算した時に分かりましたが、売れるか売れないか分からない状態で、個人で1点数万円の製作費を負担し続けるのは難しいと思います。印刷版の本を自費出版するよりも安いかもしれませんが、電子書籍の場合も、制作して販売するまでの個々のプロセスでそれぞれかなりのコストが発生するということも、試行錯誤するうちに、だんだんに分かってきました。

ただ、私は今でもあの美しいビューワーでこのコラムを読んでもらえないことをとても残念に思っています。n

問合せ先:新・混沌の館にて」サイト http://www.sciencereadings.com/

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