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2026年8月23日~29日は「Google Play ブックスで購入した本がGemini Notebookへ追加可能に(ただしまだ一部のみ)」「週刊ダイヤモンド、紙版は定期購読も終了へ」などが話題に。広い意味での出版に関連する最新ニュースから編集長 鷹野が気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります。メルマガでもほぼ同じ内容を配信していますので、最新情報をプッシュ型で入手したい場合はぜひ登録してください。無料です。クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)でライセンスしています(ISSN 2436-8237)。
お知らせ
朗読フェスティバル「NovelRecital」一般入場チケット販売中! 小説家たちが“自分の作品を自ら朗読・販売”するハイブリッド・イベントです。9月19日(土)12時から世田谷文学館にて開催!
政治
【速報】消費者庁が「ダークパターン」規制へ〈47NEWS(2026年8月24日)〉
うわ、消費者庁でもこういう検討が行われてたのですか。把握してなかった。官公庁のウォッチ対象広げないとダメかなあ……と思ったら、ちゃんとRSSリーダーに登録してたよ、しかも2010年から! つまり単なる見落とし。トホホ。
私は、Amazonプライムを解約したら、Amazonで買い物をするたびにプライム勧誘のトラップ(つまりダークパターン)が仕掛けられていて腹が立つ(いちど引っかかった)ので、しっかり規制して欲しい。
定期購読の新聞、消費税率8%据え置き 政府が自民党税調に方針伝達〈日本経済新聞(2026年8月25日)〉
本件、新聞系メディアは淡々と事実を報じるのみという印象です。こんどは「新聞は食料品と同様の生活必需品!」って主張をしないのですね。まあ、軽減税率の毒饅頭食べちゃったから批判もできないし、うかつに触ると藪から蛇が飛び出しちゃうかもしれませんからね。
社説:AI基本原則 これで知的財産を守れるのか〈読売新聞(2026年8月25日)〉
知的財産権の侵害が疑われるケースが続くのは、政府が2018年に著作権法を改正し、著作権者の許諾を得ずにAIに学習できるようにしたことが要因だ。
また前と同じこと言ってる。もう一度同じことを書きますが、2018年改正を検討していた文化審議会著作権分科会には日本新聞協会も委員を送り込んでいます。つまり、新聞はこの改正にがっつり関わっていた当事者です。なに他人事のフリして政府の責任にしてるんですか。
もっと言えば、日本の著作権法に第30条の4があるからAIに無許諾で学習させた――なんてこと、OpenAIみたいな海外の企業には当てはまらないですよ。著作権法は属地主義ですから、やつらはアメリカでは「AI学習はフェアユースです」と主張しているわけです。
あと、日本の著作権法第30条の4は「権利者の利益を不当に害することとなる場合」を除きます。学習&出力によって不利益を被ってるなら、さっさと訴えなさい。なぜ先に法律を変えようとするのか。
読売新聞は、著作権法を権利保護だけを目的とした法律だと勘違いしてらっしゃるようですが、違いますからね。第1条の目的には権利保護と並んで「これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ」と書かれています。公正利用と権利保護の両方で文化の発展に寄与するのが著作権法の目的です。
政府が「海賊版被害」行動計画更新 漫画やアニメ、ベトナム対策強化〈日本経済新聞(2026年8月25日)〉
「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026」に海賊版対策で「表示遮断」という不穏な一言が書かれていたのでちょっと気になっていたのですが、更新された「インターネット上の海賊版に対する 総合的な対策メニュー及び工程表(PDF)」を確認したらブロッキングについての記述は従来と変わっていませんでした。ひと安心。
社会
Is it legal to train AI models on copyrighted books? It’s complicated(著作権で保護された書籍を使ってAIモデルを訓練することは合法か?複雑な問題だ)〈TechCrunch(2026年8月23日)〉
「合法か?」とありますが、2025年にAnthropicやMetaの所業は合法って判断がすでに出てますよね。地裁レベルではありますが。違法とされたのは、Anthropicが海賊版だと知っててダウンロード&学習した行為。そこは明確になってます。複雑なのはMetaの判決で言及された「市場希釈化」論なんですが、この記事ではそこまで踏み込んでいないのですよね……今後を考えるとそこが焦点なのに。
代替テキストの次に取り組むなら?〈ウェブアクセシビリティ基盤委員会(2026年8月24日)〉
見出しですよね。見出しではなく<B>太字</B>や<strong>強調</strong>を使っているところを、とくに伝統的メディアでちょくちょく見かけます。以前、某大手出版社の公式サイトでアクセシビリティ対応についてのお知らせが見出しタグなし<B>太字</B>で書かれているのを見て呆れたことがあります。まあ、その会社の広報部門がそのあたりに無関心もしくは無知なんだと思いますが、よりによってアクセシビリティ対応についてのお知らせでコレかよ、という。
漫画や教科書すら「まったく読まない」若者が5人に1人…東大研究室の調査で判明した脳と「読む・書く」の密接な関係〈東洋経済オンライン(2026年8月25日)〉
もうタイトルを見ただけでわかる酒井邦嘉教授らの調査。1年前の2025年9月1日に発表されたものです。なぜいまごろ記事に? そして元のリリースでは「東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県だけで84%」「男女の内訳は女性71%、男性28%」とかなり偏りがあることが明記されているのに、この記事ではそこに触れていません。さすがにそれはダメじゃないかな。我田引水のチェリーピッキングですよ。
KADOKAWA、専用郵便番号が失効 謝罪 「ニュータイプ」読者の手紙届かず「手続きに不備」〈スポニチ Sponichi Annex 芸能(2026年8月26日)〉
そもそも専用郵便番号って存在をあんまり認識していなかったのですが、失効したら即座に届かなくなるのですね……恐ろしい。期限があるのかと思いきや、どうも「1日あたりの平均配達物数が原則として50通以上の事業所」にのみ設定されていて、下回ると失効しちゃうようです。そういう場合ってふつうはトラブル回避のため「失効するよ」って事前に連絡があると思うのですが……連絡がなかったのか、連絡があったのに処理(宛先を住所に切り替え)を怠っていたのか。この記事からはわかりません。
小説家が自分の小説を朗読するフェス「NovelRecital」海猫沢めろん、山崎ナオコーラ、新城カズマら16人出演〈KAI-YOU(2026年8月28日)〉
初開催なのでHON.jpの広報的な意味も込めてプレスリリースを流すことに。KAI-YOUさんが反応してくれました。うれしい! これだけ多くの小説家が自作を朗読・販売する機会なんてこれまでなかったはず。ぜひ来て聴いてください。入場にはチケットが必要です。Peatixでお求めください。
風景にも村上春樹が「読める」 読書は一回きりのパフォーマンス〈日本経済新聞(2026年8月29日)〉
タイトルにギョッとしたんですが、本文には「その時に『読めた』ものは一回きりのパフォーマンス」とありました。確かに、時間を置いて読み返すと新しい発見があったりしますから、それならわかる。というか、前半を略すと意味が変わってしまう。外部環境の変化はもちろんですが、読んでいる自分も考えが以前とは変わっていたりしますから。だから私は「読書は対話」だと思っています。時空を超えた遅いコミュニケーション。
経済
Google依存から抜け出せるか? 米メディア各社が進める脱プラットフォーム〈DIGIDAY[日本版](2026年8月24日)〉
私が「巨大IT企業のプラットフォームに依存するのをそろそろやめませんか?」と提案したのは2022年の年初でした。まあ、そんな簡単な話ではないのも承知の上でしたが。だんだん脱プラットフォームが進んでますね。
ぴあ復刊、「偶然の出会い」を 両面表紙、QRから限定コンテンツへ〈朝日新聞(2026年8月24日)〉
紙媒体は、アプリの認知&利用促進が目的だと明かされています。やっぱりなあ。私の古巣はいまだに紙媒体を止めていません。2013年に書いた「私がいた会社も恐らく近い将来、どこかのタイミングで『紙媒体の発行をやめる』という判断をせざるを得ない時がくると思います」という予想は、いまのところハズレています。それは恐らく、ウェブだけで勝負してきたライバルはてんで相手にならず、結局、紙媒体を出し続けている自社とライバルが圧倒的に強い、という歴史を辿ってきたからだと思うのですよね。デジタルだけで認知獲得・契約獲得するのはけっこう大変ですから。さすがにトラック新法施行以降はどうなるかわかりませんが。
論説:AIの「意識」論争は何を隠しているか〈MIT Tech Review(2026年8月26日)〉
あー、その観点はなかったなあ……と感心しました。AI企業がなぜ「AIに意識が芽生えた」なんてことを主張するのかというと、AIが暴走して被害が出たときに免責される可能性があるから、という指摘です。確かに、それはあり得る。ずる賢いから。
『週刊ダイヤモンド』、完全デジタル化を発表 紙版は2027年4月3日号をもって終了「AI時代に勝ち残るメディアに進化」〈オリコンニュース(2026年8月27日)〉
2025年4月から書店売りをやめて「サブスク雑誌」として刷新、紙は定期購読だけに切り替わっていましたが、2年でそれも終了となりました。当時、「ダイヤモンド・プレミアムの有料会員は4.3万人を突破」と発表していましたが、いまはどれくらいになったのかな? と思い「出版指標年報」に載っているABC雑誌発行部数・発行社レポートを確認してみたら、2026年版から週刊ダイヤモンドが載ってない! マジか。
週刊ダイヤモンドがデジタル化へ、その反響を見て感じたこと〈アヨハタ(2026年8月28日)〉
すぐコメントを記事にする瞬発力がすごいなあ……私の視界では当初そこまで後ろ向きな反響は見られなかったのですが、ちょっと遅れてトンチンカンなことを言い出した人が現れたので「ああこういうことか」と得心しました。トンチンカンにリンクは貼りませんが、あとで私もメルマガ増刊号で深掘りします。
ここでは少しだけ。週刊ダイヤモンド内にデジタル改革のプロジェクトチームが立ち上がったのは2017年ごろだと以前から明かされています。もう9年前の時点で「悲観シナリオでは27年に週刊誌市場がなくなる」と予想したうえで社内改革を進めてきています。
紙とデジタルの編集部を統合して「ダイヤモンド編集部」になったのが2018年か2019年。統合時に「製作フローも記事もデジタル前提に再構築」しています。だから、いずれ紙を止めることは既定路線だったはず。
Google、「Gemini Notebook」に購入済み電子書籍を追加できる「Expert Intelligence」〈ITmedia NEWS(2026年8月28日)〉
ついに来ましたねぇ……初報を見たときは「どうせGoogleのことだし、AI要約『Book Insights(日本語サービス名は「スマート読書ガイド」)』のオプトアウトをそのまま転用したんだろう」と思ったんですが、念のため公式発表を確認してびっくり。
Over the past several months we’ve been meeting with authors and publishers to better understand how AI can help people get the most out of their books.(ここ数カ月間、私たちは著者や出版社の方々と面談を重ね、AIが人々の書籍利用を最大限に支援するためにどのように役立つかをより深く理解しようと努めてきました)
これ、ちゃんと著者・出版社と協議したうえで同意をとって進める「オプトイン」形式でやってますね。それもあってか、Publishers Weeklyには出版社の称賛する声(しかも「条件面の詳細は知らないけど」と言いつつ!)が複数記載されていました。
どうしてそこまで褒める? というのをちょっと考えてみたのですが、これはアメリカの「強すぎるAmazon Kindle」を是正したい出版業界側の思惑があるのかもしれません。ちなみにこれは「学習」ではなく「参照」なので、著者・出版社も許諾しやすかったというのもあると思います。これも増刊号で深掘りしましょうかね。
書店を守れば、本は売れるのか〈出版業界ニュースまとめ(2026年8月29日)〉
こちらも瞬発力がすごいなあ……ウチも日刊でピックアップした文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業(令和7年度)のフランス書店業界の詳細から、日本が学べることという観点で、速攻で記事化しています。お見事。見習いたい。確かに、書店数をKPIにしても良い結果は得られないでしょうね。FoyerやHONYALを利用した、メインビジネスに併設された小さな書店が増えるばかりになってしまいそう。
技術
「効率化」の先にある危機――Hachetteへのサイバー攻撃が突きつける出版流通の弱点〈mizuho furuhata(2026年8月24日)〉
アサヒビールがランサムウェアにやられたとき、電話やFAXに救われたという逸話を思い出しました。このクラウドWatchの記事では批判的な文脈で触れてますが、私はむしろ、アナログ的な手段とノウハウがあればなんとかなるってことだと思うのですよね。数十年後、人が入れ替わってアナログなノウハウが完全になくなった断絶後の段階が怖い。
pixivFANBOX、無断転載コンテンツのGoogle削除申請を代行 投稿データのスクレイピング被害受け〈ITmedia NEWS(2026年8月25日)〉
GoogleへのDMCA削除申請を代行するサービスです。希望者のみ、著作権をpixivと共有するそうです。pixivはその著作権を削除申請のためだけに利用すると規約で縛る形。料金のことがどこにも書いてないのですが、無料で代行するのかな? めちゃくちゃ労力がかかる気がするんですが、大丈夫かな。
お知らせ
NovelJam 2026の開催支援ありがとうございました!
クラウドファンディングは8月27日で終了しました。ご支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。支援総額40万3468円、支援者数46人、達成率は惜しくも80%ですが、NovelJam史上最高額・最高人数となりました!
新刊『出版とフリー 〈無料〉との競争の果てに起きたこと』について
クリス・アンダーソンの名著『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(2009年・NHK出版)を再読し、日本の出版状況に合わせて考察した10年前の連載コラムが本になりました。最終章は書きおろしの「生成AIとフリー」です。
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日刊出版ニュースまとめ
伝統的な取次&書店流通の商業出版からインターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版に関連する最新ニュースをメディアを問わずキュレーション。FacebookページやX(旧Twitter)などでは随時配信、このコーナーでは1日1回ヘッドラインをお届けします。
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雑記
約2カ月間のクラファン募集期間で、活動報告は16回でした。伴走支援いただいた方にだいぶ助けていただいたのですが、目標達成するにはもっと頻繁に更新しなきゃダメだったなーと反省。更新ネタを事前にもっと準備しておく必要がありますね。6月があまりに忙しすぎた!(鷹野)































