電子時代の印税をめぐる著者vs.出版社の戦い、有名作家エージェントAndrew Wylie氏「当面許諾は出さない」

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【編集部記事】The New York Observerによると、有名な作家代理人(エージェント)のAndrew Wylie氏が、現在電子書籍の出版で一般的となっている著者印税率が不当に低いとの理由から、当面電子化の許諾を出さない方針であることを明らかにした。

 Andrew Wylie氏は、米英の出版業界ではタフな交渉で有名な辣腕エージェントで、米英の有名作家約700名をクライアントに持つ。この電子書籍に関する方針は米「Harvard Magazine」誌のインタビュー記事の中で明らかにしたもので、既刊書の電子書籍化で一般的となっている印税契約(出版社売上の25%)には不満で、結論を引き延ばすことで印税率をまだまだ引き上げられると主張。他の有名エージェントたちも彼と歩調を合わせていく模様だ。

 なお、米The Authors Guildや英Society of Authorsなど現地著者団体も、会員作家たちに対して電子書籍の印税率ターゲット「50%」を提唱しており、当面はそれを目指した動きに発展していきそうな気配だ。【hon.jp】n

問合せ先:The New York Observerの記事( http://www.observer.com/2010/daily-transom/wylie-tells-harvard-he-wants-license-clients-e-book-rights-independently

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