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2026年10月11日~17日は「コミックシーモア会員情報流出」「小4以下にはデジタル教科書認めず」「Getty Imagesが破産」などが話題に。広い意味での出版に関連する最新ニュースから編集長 鷹野が気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります。メルマガでもほぼ同じ内容を配信していますので、最新情報をプッシュ型で入手したい場合はぜひ登録してください。無料です。クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)でライセンスしています(ISSN 2436-8237)。
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政治
デジタル教科書、動画は1本「3分程度まで」…教科書1点あたりの総量「上限」には幅持たせる〈読売新聞(2026年10月13日)〉
ナニコレ? と思って調べてみたら、デジタル教科書そのものの検討会議ではなく「教科用図書検定調査審議会」で「デジタルな形態を含む新たな教科書に対応した検定審査について」討議されていたのですか……それは気がつかなかった。RSSのタイトルだけでは判断できないなあ。どうすればいいんだろう?
ちなみに、第一次論点整理案には「現行の二次元コード先には教科書の内容にはそぐわないものも含め、多種多様な動画が大量に掲載されていることなどを踏まえ」という記述がありました。「教科書の内容にはそぐわないもの」って、どんな動画だろう? 逆に気になる。
新たな教科書は「紙中心」、デジタルは補助的扱いに…小4以下は完全デジタル認めず〈読売新聞(2026年10月18日)〉
本稿執筆当日配信の記事ですが、関連で取り上げておきます。こちらの記事に書かれた「22日に開かれる文科省の有識者会議」は恐らく「デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議」だと思うのですが、本稿執筆時点で開催案内が出ていない……違うのかな。わからんなあ。「完全デジタルの教科書は小4以下は認めない」って、文科相が言ったとおりになったってことか。
記事には「障害のある児童生徒への対応も行う」という記述もあり、読売新聞がここへきてようやくアクセシビリティ対応について触れた(一文だけだけど)ことについては大きな進歩なので褒めておきます。えらい!
ちなみに、文科省の資料には「障害等」と「等」がついていて、障害者認定されていないグレーゾーンの児童生徒にも配慮した内容になっています。まあ、これまでガン無視してきた読売新聞にそこまで求めるのは酷でしょう。
社会
広島駅前に移転の中央図書館、半年で140万人利用 移転前の8倍に〈中国新聞デジタル(2026年10月11日)〉
こちらの記事、反響を見ていたら「本の貸出数はそこまで伸びてない」「商業施設に間借りして落ちぶれた」など批判的な声がけっこう多くて驚きました。図書館は、貸出数をKPIにしないほうがいいと思うんですよね。貸出数が伸びてなくてもいいじゃないか。
北海道:AI時代の図書館像示す…札幌市図書・情報館 初代館長・淺野さん刊行〈読売新聞(2026年10月11日)〉
貸出しない図書館の嚆矢。ちょうど上記記事と同タイミングで配信されていたので、並べておきます。
AI時代に、本というメディアはまだ効くのか〈松浦シゲキのメディア・コミュニケーション・インサイト(2026年10月13日)〉
本は、範囲は狭いけど深くえぐるメディアです。だから「まだ効く」に私も1票。ただし、届く数がウェブに比べると圧倒的に少なくて、ウェブの感覚で考えているとあまりの少なさに悶絶します。商売として考えると厳しいんだけど、いち書き手としてはたった一人でも深く刺さればそれで十分とも思う。
米AI企業が日本の書籍を大量購入 学習データに使われ日本の国益が損なわれる?〈ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト(2026年10月14日)〉
ただし、(国立国会図書館で)デジタル化された資料も、すべてがテキストになっているわけではなく、画像ファイルのまま収められているものもあります。これらは最新のOCRソフトで文字化し、しっかり校正をかけてテキスト化していく必要があるでしょう。(※括弧内は筆者による補足)
えーっと、それは「国立国会図書館ビジョン2021-2025」の時点ですでに計画に盛り込まれていて実行もされていますが。2021年7月には「LINE『CLOVA OCR』でテキスト化」というニュースもありました。それにより、いまでは全文テキスト検索が可能になっています。
以前はNDL Labに【研究者・開発者向け】として「(著作権保護期間の存続している資料から作成したOCRデータは)当館との協議のうえで著作権法上認められた範囲内での利用(著作権法第30条の4の規定による機械学習目的など)に限り、当館と書面を取り交わした上で提供することが可能」と書いてあったのですよね。OpenAI社から提供を求められた際に国立国会図書館が断り、その後この記述が消えた経緯があります。
Authors Guild Issues AI Guidelines for Publishers(全米作家協会が出版社向けにAIガイドラインを発表)〈Publishers Weekly(2026年10月16日)〉
最近相次いでいたAIテキスト検出ツールによる判定と出版停止などについて“imperfect AI detectors(不完全なAI検出器)”と釘を刺しています。すでに魔女狩りの様相を呈してますもんね。
経済
書店「6割消滅」の病理 東京都心の大型店も閉じる 倒産の力学 書店編〈日経BizGate(2026年10月13日)〉
2ページ目にこんな記述が。
電子書籍は視力の衰えを感じるシニア層に支持されている。拡大機能を使えば、老眼でも読みやすいデジタル書籍はシニアの読書を助ける。わざわざ書店へ出向いて、立った状態で本を選ぶのは、足腰に不安を抱えるシニア層にとっておっくうに感じられがちだ。読書に長く親しんできたシニア層の足が遠のくのは、リアル書店の売り上げに響く。
その論理展開はわからんでもないけど、根拠を数字で示すべきでしょう。電子書籍はアクセシブルだから、視力の衰えたシニア層にとって福音なのは間違いありません。しかし、あたかもそのせいでリアル書店の経営に悪影響を及ぼしているかのように語るのはどうかと思うのですよ。
ちなみに、総務省による2025年通信利用動向調査(世帯編)で「デジタルコンテンツの購入・取引」は65歳以上7.2%、75歳以上4.2%、80歳以上2.2%程度です。電子書籍に限った数字ではありませんが、仮にすべて電子書籍だとしても「支持されている」と言うほどか? と思います。
そもそも年代を問わず、電子書籍(文字ものなど)の市場規模は2025年時点でまだ459億円程度(出版科学研究所推計)ですから、それがどれだけリアル書店の経営に影響を及ぼしているというのか。リアル書店に影響があるとすれば、電子コミックでしょ。それも急成長した2019年以降、鬼滅フィーバー・コロナ特需より後の話ですよ。
そして、シニア層が電子コミックを好んで利用しているってデータは、ないんじゃないかなあ。マンガは固定レイアウトでアクセシブルじゃない。もちろんピンチアウトで拡大できるけど、それは紙の本でルーペを使うのと大差ないと思うのですよ。
米Getty Imagesが破産申請へ AI画像の台頭で経営悪化、「報道写真」軸に年内の再建目指す〈ITmedia NEWS(2026年10月13日)〉
Getty ImagesはOpenAIと提携するなど比較的素早く手を打ってきたように思いますが、それでも環境の変化に追いつけませんか。厳しいなあ。
【下山進=2050年のメディア第89回】紙の『週刊ダイヤモンド』をなぜなくすのか? 麻生祐司新社長が語る | 概要〈AERA DIGITAL(2026年10月14日)〉
紙を止めたのは現場からの強い要請だったのですか! それは意外だった。トップダウンだと思ってた。まあでも、紙媒体向けとベクトルが違いすぎるというのは、なんかわかる。読者層が違いますもんね。
ユーチューブ、オーディオブック事業に参入へ〈WSJ(2026年10月15日)〉
おおっと。当初、ハードペイウォールに阻まれ詳細は読めていなかったのですが、少し長めに冒頭が読めるダイヤモンド・オンラインへの配信によると、どうやらYouTube Premiumに組み込む計画のようです。最初は、Google Playブックスの「音声ブック」を移植するのかと思ったのですが、サブスクに組み込むならアラカルトではなく聴き放題サービスになりそう。音楽では2020年にGoogle Play MusicをYouTube Musicに移植した実績があります。
Kobo Plus Audiobooks now available in France(コボ・プラスのオーディオブックがフランスで利用可能に)〈Good e-Reader(2026年10月17日)〉
もしかしたらこれを言い続けてるの私くらいかもしれないとも思うのですが、機会があるごとに言っておきましょう。日本はマダー?
技術
楽天モバイルで情報漏えいのおそれ 過去に契約していた人も対象に〈ASCII.jp(2026年10月13日)〉
先週も個人情報漏洩事件が大量に発生していました。以下に、出版と直接的・間接的に関係しそうなものだけ列記しておきます。この楽天モバイルの事件は「2026年6月20日までにシステム改修などの対応を完了した」とあり、4カ月前のことをいまになって通知しているという、ちょっと他とは違うニュース。まあ、いまは情報漏洩ニュースが氾濫しているから、ある意味、悪い情報を吐き出しておく「チャンス」ですけどねぇ……木の葉を隠すなら森の中ってやつ。
ソースネクスト、最大2251万件の情報流出 パスワード再設定を〈Impress Watch(2026年10月15日)〉
件数がすごい。私は、もう覚えてないくらい昔にソースネクストでなにか買ったような気がするけど、個人情報漏洩のお知らせメールが届いてないなあ……と思ったら、Gmailの優秀なスパムフィルターが自動で迷惑メールフォルダに放り込んでました。ガクッ。
コミックシーモア、緊急メンテナンス実施「外部からの不正なアクセスが行われた可能性が高いと判断」〈オリコンニュース(2026年10月15日)〉
ぎゃあああああ、ついに電子書店系が。明日は我が身。
『コミックシーモア』会員情報の流出に関するお詫びとお願い〈NTTソルマーレ株式会社(2026年10月16日)〉
漏洩したのはメールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、生年月日、性別、ニックネームまで。コンテンツは無事。クレジットカード情報は保持していない。まあそれなら不幸中の幸いか、と思えてしまう。
ヤマト運輸、「クロネコ代金後払いサービス」不正アクセスで約530万件の個人情報漏えい〈INTERNET Watch(2026年10月16日)〉
こういうニュースを受け止める側として、もう完全に感覚がマヒしちゃってますね。あうあう。
BASE子会社の漏えい、約2335万人分に 209万人分はクレカ番号「先頭6桁と下4桁」「有効期限」も〈ITmedia NEWS(2026年10月17日)〉
ソースネクストの件数(約2251万件)を上回った……。
韓国ネイバーウェブトゥーン、見えない識別情報で流出元追跡…特定精度99%以上〈AFPBB News(2026年10月14日)〉
これはすごい。Google DeepMindのSynthIDのように、メタデータではなく画像そのものに見えない識別情報を埋め込んで、誰が流出元なのか追跡して遮断する対策をしているそうです。言ってみれば「ソーシャルDRMを罠として仕込んでいた」ことに。すごいけど恐ろしい。でももう、それくらいやらないとダメなのかもなあ。
SEO予算は「クリック数」目当てじゃダメ。3種の指標と3つの予算配分で上司もナットク【SEOまとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ〈Web担当者Forum(2026年10月16日)〉
「グーグルの大型アップデートが近い?」の項に興味深い情報が。生成AIなどを用いて「実在しない著者」を使っていると(というかそれがバレると)、今後はGoogle検索で評価が落ちるようになる可能性が高いようです。
個人的にはべつに生成AIを使ってもいいとは思うのですけど、ハルシネーションだらけの記事がそのまま流れてきてうんざりすることも多いのですよね。編集者がちゃんと確認してから配信しろよと思う。半年前のできごとが「ニュース」として配信され、あとから削除されてるのを何度か目撃したメディアを把握しています。
あと、記事末尾でしか著者がだれかわからないようになっていて、プロフィール末尾で申し訳程度に「この著者はAIエージェントです」と書いてあったりするパターンもムカッとする。こういうのって今後は「実在しない著者」扱いになるのかな?
「AI以外ありえない」サイバー攻撃、無差別に会員情報サイト狙う〈日本経済新聞(2026年10月17日)〉
失敗すると少し考えているかのように時間を置き、失敗を教訓に別の操作を試していたようだった。
機械的な連続アタックではなく、人間っぽく考えて違う手段での試行を重ねたりするわけですか。でもその速度が、人間では不可能なレベルだ、と。それこそAnthropicの思うつぼではありますが、Claude Codeのセキュリティ診断とか早めにやっておいたほうが……と思ったのですが、エンタープライズプランでしか使えないのかよ!
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新刊『出版とフリー 〈無料〉との競争の果てに起きたこと』について
クリス・アンダーソンの名著『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(2009年・NHK出版)を再読し、日本の出版状況に合わせて考察した10年前の連載コラムが本になりました。最終章は書きおろしの「生成AIとフリー」です。
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雑記
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