X(旧Twitter)で他人の投稿画像をワンクリックでAI加工できてしまう機能がリリースなど 日刊出版ニュースまとめ 2025.12.26

【写真】ジュンク堂書店名古屋店+猫
Photo by Ryou Takano(+Adobe Firefly 生成塗りつぶし“歩いている黒猫”)
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 伝統的な取次&書店流通の商業出版から、インターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版関連ニュースをデイリーでまとめて配信。ボットではありません。編集部の中の人がすべて自分の目で読んで、手作業でまとめています。2025年12月21日付までのピックアップログ全件はこちら以降、次年度のログはこちら

【目次】

政治

iPhoneに代替アプリストア登場、スマホ新法1週間 決済開放は道半ば〈日本経済新聞(2025年12月25日)〉

「虚偽・捏造情報根絶法」可決 報道現場から懸念の声も=韓国〈聯合ニュース(2025年12月24日)〉

ひとことコメント

うーわ、権力者にこんな権限与えちゃったら表現規制しまくる未来しか見えない。ヤバイなあ……(鷹野)

社会

2025年12月25日 「国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)」をリニューアルしました(付・プレスリリース)〈国立国会図書館(2025年12月25日)〉

「未管理著作物裁定制度」が2026年度から始まります〜今は眠る著作物等の価値を再発見し、新たな創作活動へつなぐ仕組み〜〈文化庁広報誌 ぶんかる(2025年12月24日)〉

報酬への不満、アニメ業界は5割、映画は9割 クリエーター実態調査〈朝日新聞(2025年12月24日)〉

新潮社が週刊新潮誌上でおわび掲載へ コラムへの校閲指摘、修正せず〈朝日新聞(2025年12月24日)〉

人権デューデリジェンスの新たな取り組みについて | News Headlines〈新潮社(2025年12月25日)〉

ひとことコメント

8月4日に公開していた謝罪文はこちら。(鷹野)

CA2094 – 海外の国立図書館におけるAIの利活用について / 井尻和雅, 里見航〈カレントアウェアネス・ポータル(2025年12月20日)〉

CA2095 – 動向レビュー:図書館における読書バリアフリー施策の動向 / 佐藤聖一〈カレントアウェアネス・ポータル(2025年12月20日)〉

経済

2025年11月期 紙書籍雑誌推定販売金額は前年同月比5.5%減 ~ 出版指標マンスリーレポートより〈HON.jp News Blog(2025年12月25日)〉

OpenAIが守ったGoogle キャッシュ生む力、AI時代を左右〈日本経済新聞(2025年12月25日)〉

技術

AGIは完成せず、AI失敗事例が続出――スタンフォード大教授が語る“幻想から冷める1年”:2026年のAI界隈を予測〈@IT(2025年12月25日)〉

“刺さるマンガ”との出会いをどう生むか? コミックシーモアが“マンガ愛”で取り組むAI・データ戦略〈ASCII.jp(2025年12月24日)〉

Xに画像の“AI加工機能”出現 他人のポストでも、1クリックで画像編集 「最悪なシステム」と物議に〈ITmedia AI+(2025年12月24日)〉

XのAI機能「画像を編集」が波紋 「画像やイラスト全部消しました」の声も 法的問題点は?〈ITmedia AI+(2025年12月25日)〉

ひとことコメント

X(旧Twitter)のサービス利用規約には、「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」セクションで「(アップロードした)コンテンツを、現在知られている、または今後開発されるあらゆるメディアまたは配布方法で、いかなる目的であれ、使用、コピー、複製、処理、翻案、変更、公開、送信、表示、アップロード、ダウンロード、および配布するための、世界的、非独占的、ロイヤリティフリーのライセンス(サブライセンスの権利を含む)を当社に付与するものとします」と定められています。まずそれが大前提。「でもあなた、同意した上で利用してますよね?」と言われてしまう。

ただ、日本の著作権法には同一性保持権があります。アメリカの著作権法に同一性保持権は存在しないのですが、属地主義だから日本で侵害されてるなら日本の法律が適用されます。だから、日本在住者の作品が日本在住者にこの機能を使われ、意に沿わない改変が行われた場合、権利侵害にあたる可能性が高いと思います。同一性保持権は強行規定だから、利用規約は法律をオーバーライドできませんし。

そんな機能付けるなよ! って話ではありますが、X(旧Twitter)はただのプラットフォームだからユーザーによる権利侵害の責任は負わないんですよね。発信者情報開示請求が来たら、粛々と従うのみ。あとはユーザー同士の係争になる。で、この新機能を嫌悪した方々が、BlueskyやMisskeyなどに大量移住しているようです。過去にも何度かあったけど、これは本格的にヤバイと思います。

ちなみにこれ、著作者が自分の作品を自分で投稿している場合はまだ、自分のコントロール下にあるから嫌なら消せばいいんですよ。実際、全削除して撤退している方も目にします。むしろ問題は、著作者から作品をお預かりしている立場のパブリッシャーがどうすべきか。告知や宣伝のために作品の一部をアップロードしたら、第三者によって手軽に無断改変される未来が待っているわけですよ。マンガの無料公開とか、私が担当者だったら怖くてできないです。ヤバイ。個人的には「Sora 2」よりヤバイと思います。(鷹野)

イベント

【特番・会場参加有】2025年下半期の出版ニュースを振り返る ―― HON.jp News Casting / 大西隆幸×菊池健×libro×古幡瑞穂×西田宗千佳×鷹野凌〈東京都千代田区(日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール)+オンライン/12月26日〉

東京大学先端科学技術研究センター社会包摂システム分野 学校図書館等における読書バリアフリーコンソーシアム事務局「令和7年度学校図書館等における読書バリアフリーコンソーシアム:公開シンポジウム」〈オンライン/12月27日〉

日本電子出版協会「新春講演会:2026年の電子出版はどうなる?」講師:鷹野凌〈オンライン/1月9日〉

図書館流通センター「電子図書館サミット2025」〈東京都文京区(図書館流通センター 本社B1Fホール)/1月29日〉※TRC-DL導入自治体関係者のみ対象

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文フリ東京で頒布した新刊はボッドキャスト・ファーストの書籍化!『ぽっとら Podcast Transcription vol.1 ~ 詐欺広告や不快広告・金融検閲・生成AIと著作権・巨大IT依存問題など、激変する出版界の広範な論点を深掘りしてみた。』というラノベみたいな長いタイトルの本です。詳細はこちら。

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