第9回 ネットの口コミパワーの思わぬ利益!―― 内藤みかの作家起業論

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 ネットの口コミはすごいものがあると聞いていたけれど、一体どうやって火をつけていったらいいのか、自分でもよくわかってはいなかった。

 ただ、ネットで揉まれて悟ったことは、起業した人は何か「商品」を売ったりPRしたりしている。私は作家なのだから「自著」こそが私の売るべきものだった。つまり作家は「自著」を抱えた起業家だと気づかされた。そしてネット書評家達が、動き始めてくれた。

内藤みか(ないとう・みか)

 1971年生まれ。作家。著書54冊。自著を売るためにネットを駆使しまくる日々。

公式HP
http://www.micamica.net
メールマガジン

『あなたを買った夜』https://www.books.or.jp/books/detail/1480581
出版社:ベストセラーズ
ISBN:4584351422
発行:2003年08月
価格:895円 (税込:940円)

 アマゾンキャンペーンの前に、平野友朗さんにすすめられて、私の公式HPのアクセス解析をしてみた。「お金がかかることはなるたけやりたくない」と渋る私に、彼は年間1500円と激安のinfoseekのアクセス解析を教えてくれた。

 やってみたら、自分の公式HPになんと1日数百人が訪れていることがわかり、驚いた。自分に興味を持ってくれている人は、大勢いる。それを知っただけで元気が出た。

 しかしどんな検索ワードでたどり着くのかを調べて愕然とした。「内藤みか」で検索している人よりも「官能小説」というキーワードのほうが多かったのだ。まだまだ自分はあまり知られていない存在なのかと落ち込んだ(ちなみに今では「内藤みか」という検索ワードが一番多く、1日数十人が私の名を検索してくれている)。

 私としてはエッセイも過去に何冊も書いているから、官能作家というくくりだけでは自分のことを考えていなかったのだけれど、世間は全然そうは思ってくれていなかった。このギャップを目の当たりにして、私はなおのこと自己PRの必要性を痛感した。

「内藤みかは、とても面白い本を書いていますよ!」

 これを何とかしてネットの方々にお知らせしていきたい。でもどうしたらいいだろう。すでにメルマガで数千人、ブログとHPで1日千人は私を知ってくれている。でも新たなファンを増やすには……!?

 その答のひとつは、自然と出てきた。

 私の本を買ってくれたネット書評家さん達が、続々とレビューを書いてくれたのである。水野浩志さんTULIPAさんらがレビューを書くと、それを読んだ他の方々が「面白そうだね」とさらに私の本を買ってくれるようになった。ああ、ネットの口コミってこうやって始まるんだ、と、実際に体験して興奮した。

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