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私はメールマガジンのプロである二人に、パーティーで近づき、相談を投げかけた。
日本初の「メルマガコンサルタント」平野友朗さんと、「パワーライティング」塾長の沼田裕さんである。
彼らは口を揃えてまずはメルマガを創刊したほうがいいと言った。
無料のメールマガジンでたくさんの読者を集めて、まずは私という作家を好きになってもらえば、確かに本も買ってくれる人もいるかもしれない。私はメルマガ創刊を決意した。
内藤みか（ないとう・みか）
1971年生まれ。作家。著書54冊。自著を売るためにネットを駆使しまくる日々。
公式ＨＰ
http://www.micamica.net
メールマガジン
『いじわるペニス』
出版社：新潮社
発行：2004年10月
価格：1260円（税込）
メルマガ界の要人とは、日本初の「メルマガコンサルタント」平野友朗さんと、「パワーライティング」塾長の沼田裕さんであった。彼らはメールマガジンのノウハウを有料で人々に指導しているという。
私は出版パーティーでとにかく二人の近くに座ろうと目を凝らした。そして運のいいことに沼田さんの隣かつ平野さんの真ん前という最上の席を見つけ「ここ、よろしいかしら」と色っぽい声で座ってみた！
そして単刀直入に彼らに相談を持ちかけた。
「私ぃ、作家をしているんですけどぉ、なかなか本がヒットしなくて困っちゃって〜ぇ」
配信が始まったばかりの携帯小説「いじわるペニス」を見せると平野さんは引いていたけれど、沼田さんは「面白い！」と喜んだ。
この私の決死のアピールが効いたのか、彼らは親切にも色々とその場でアドバイスをしてくれた。
まずはメルマガを創刊して、ファンを増やしたほうがいいと、二人とも言った。
「でも、私にできるかしら」
小説と違い、メールマガジンは文章の書き方が全然違うはずだ。自分が読者の目を惹きつけることできるのか、私は不安だった。
「大丈夫。いいビデオがあります」
平野さん販売のメルマガノウハウビデオは１８０００円もした。ちょっと負けて☆と色目を使おうとしたけれどムリだった。
私は定価でちゃんと買った。ビデオは確かに素晴らしく、これ１本見ればメルマガの効果的発行方法がすべてわかった。
しかし激安本まで出している私には高かった。モトを取ってやるとばかり、メルマガ創刊まで、毎晩のように平野さんをメールで質問攻めにした。彼もさぞかし大変だったと思うけれど、スムースにメルマガが発行できるようになり、
ぴたりと質問もしなくなった頃、ぽつりと、
「……最近メールくれませんね」
と、やや淋しげなメールが来たので、そんなにイヤじゃなかったのかもしれない（笑）。
