第2回 アマゾン1位の著者発見!―― 内藤みかの作家起業論

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 私は無名作家で、出版社から「もっと名前が売れたらねえ」と言われ、途方に暮れていた。その時に石井貴士さんがメールマガジンを通じて自著をアマゾン1位にしようとキャンペーンをしており、読んでいるうちに応援したくなってついつい買ってしまった。

 その時に目の当たりにしたのである。

「本の魅力ではなく、個人の魅力で本が売れている」という事実を。だから私は「みんなに応援されるような人間になろう」と考えた。

内藤みか(ないとう・みか)

 1971年生まれ。作家。著書54冊。自著を売るためにネットを駆使しまくる日々。

公式HP
http://www.micamica.net
メールマガジン
内藤みかの“お安いのがお好き☆

 それまでの私は「作家の内藤みかです」と名乗っても、ほとんど誰も知らない状態だった。過去に心療内科で「作家をしてます。内藤みかというペンネームで」と話し始めたら即座に「あら〜ぁ、そうなのぉ、作家さんなのね〜ぇ、そお〜ぉ、すごいのね〜ぇ」と返された。多分、ウソつき扱いされたに違いない。幻冬舎、河出書房新社、光文社……と有名どころで本を出しているのにこのザマなのは少し悔しかった。本の企画を売り込みに行くときも「もうちょっと名前が売れてるとねえ、売れ行きも違うんだよね」とか「テレビに出てるといいんだけどねえ」とも言われていた。そんなこと言われてもPR素人にはどうやったらいいかわからない。途方に暮れている時に、知り合いのメールマガジン「私には夢がある」が届いた。「友達がアマゾン1位目指して頑張ってます」という内容が書かれていた。

 石井貴士という知らない人の「オキテ破りの就職活動」だった。就活本は限られた人だけが買うものだから、1位になれっこないじゃん、と冷ややかにアマゾン画面を眺めてみると、なんとベスト10付近をうろうろしているではないか。

 気になったので石井さんの「プチリタ」というメルマガを購読してみた。するとメルマガが送られてきて、なんと「今2位です。あなたの助けが必要です」と書かれている。

 ……私は気づいたら、見ず知らずのこの人の本を買ってしまっていた。全然就職本を必要としてもいないのに……。

 そしたらまたメルマガが送られてきて「1位になれました、ありがとう!」と書かれていた。やったじゃん! となぜか一緒に喜んでいた。

 その時「あ、そうか。応援してもらえれば、本を買ってもらえるんだ!」と単純に悟った。そして後日石井さんが「アマゾン1位になる方法」というセミナーを行うというので、勇んで参加申し込みをしたのだった。2003年11月の終わりのことである。

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