第11回 ネットPRの思わぬ利益!―― 内藤みかの作家起業論

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 アマゾンキャンペーン終了後、雑誌からの取材依頼を始め、私にさまざまな仕事が舞い込んできた。

 講演会のお誘いが一度に二つも来た。「東京激安人生案内」と「恋愛体験を、書こう。」

 作家ならではのトークができて、新たな仕事の広がりができていった。主宰の高畠さんにはとても感謝している。

 ネットで騒げば騒ぐほど目立つことは確かなことだったようだ。人々のブログからブログへと私の名と著書は広まっていった。

内藤みか(ないとう・みか)

 1971年生まれ。作家。著書54冊。自著を売るためにネットを駆使しまくる日々。

公式HP
http://www.micamica.net
メールマガジン

全部1円!? 激安お買い物生活
出版社:河出書房新社
ISBN:4309267440
サイズ:19x13cm/212p
発行:2004年05月
価格:1200円 (税込:1260円)

 アマゾンキャンペーンは、その日だけでは終わらなかった。何十人もの方から小説の感想をいただいた。その中には「頑張っていたから買ってみただけなんだけど、読んだらとても面白かったからファンになった」と書かれているものも少なくなく、本当にうれしかった。作家なのだから、根性よりもやはり作品で認められたほうが、うれしかった。

 さらに「ぴあ」「SPA!」など有名雑誌から取材の申し込みが入った。キャンペーンが直接の原因ではないけれど、私のブログをネットで見かけてくれたことが依頼のきっかけのひとつになったらしかった。

 私はキャンペーン後もセミナーなどに出かけていったのだけど、今までは「作家の内藤みかです」といっても知らない方も多かったのに「あの内藤さんですよね」とみなさん、知ってくださっていたことが驚きだった。

 少なくとも情報起業家さんやブロガーさんにはだいぶ名前が知れ渡るようになったようだった。彼らは私のブログを直接読んでくれたわけではなく「○○さんのブログで名前を見ましたよ」とか「○○さんから噂を聞いてますよ」などと言われ、ネットのあちこちで自分の名前が連呼されていることを実感した。

 さらに「キャンペーンされていた本、持ってますか? 売ってください」と言われ、その場でサインしていたら行列ができ、手持ちの20冊を全部売り切ってしまったことまで出てきた。

 作家は本は出版社が出してくれて、本屋さんが売ってくれるもの、と思っている方も少なくないかもしれないし、実際、今までの私がそうだった。けれど今ではイベントに出かける時は自著を何冊か抱え、興味を持った方にはすぐに買っていただくほどに商魂逞しくなった。自分の子どもなのだ、と著書のことを手売りしてみて、いっそう愛おしくも思えた。そして私に仕事が殺到し始めた。

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