IT企業都市シアトルで施行検討中の法人“人頭税”でアマゾンが新社屋建設を急遽中断

 マイクロソフト、スターバックス、ボーイングなど名だたる大企業が本社を置き、住みやすい土地として栄える一方で、家賃などが高騰しホームレス人口が急増するシアトルで「従業員人頭税」によって、賃金格差を是正しようという動きがある。

 これは年間総利益が2000万ドルを超える企業に対し、従業員1人につき労働時間で1時間あたり26セント、上限年間1人500ドルを“人頭税”として納めることを義務づける法律だ。施行されれば市内のトップ3%にあたる約500社が対象になる。この税法が導入されればシアトル市は毎年7500万ドルの税金を得ることになり、その75%は市内の低所得者層向け住宅に充てられ、ホームレス救済向け予算も1500万ドル増やせるという。

 議会で検討中のこの新税法に反対しているアマゾンは全床面積9万平方メートルを超える新タワー計画を停止させた。仮に市内の既存のビルをリースする計画に変更すると約8000人分の雇用が失われる換算だという。

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The Seattle Times

投稿者: 大原ケイ

NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。